東洋医学VS西洋医学

荒ぶる医学対決

先日Xでどこかの鍼灸師と救急医療の医者が言い争っているのを見かけました。ことの発端は鍼灸師が載せたカッピング(吸玉)と鍼治療の画像。

スキマなくドス黒い丸が並ぶカッピングの痕、浮腫にザクザクと刺さっている鍼を見て救急医が激怒、口葉が輩になっていました。(本当に医者なのか?と思うくらい言葉使いが悪い)

こういう怪しい治療をして細菌感染したり脳卒中(今あまり言わない)を起こして救急で運ばれてくるんだ!いい迷惑だ!と言ってかなりお怒りでした。

コメントでも東洋医学の胡散臭さがたくさん書かれていて、圧倒的にみんな医者の味方。味方というかみんな医者みたいな口振りでした。SNSなんて結局匿名ですからみんな好きなことを言います。

私が画像を見て思ったのは、どちらかというとこれは東洋医学ではなく中医学だと思いました。

東洋医学は陰陽五行とか補瀉をベースに、鍼治療は全身のツボに浅く刺して気の流れを整えるものです。中医学もツボを使って気を整えますが、鍼は太く過激な療法も多々あります。中国の感じを想像したらおわかりの通り、基本、荒療治という感じ。

この鍼灸師は中医学がベースなんじゃないかな。

そうだったらニッポンのお医者さんとは一生噛み合いません。中国では中医学を医療として認めており、鍼治療は立派な医療だからです。

中医学に西洋医学のエビデンスを求められても、中医学ではカッピングで悪い血が出ることで体は良くなるのだからしょうがない。第一、目に見えない『気』というものが存在する前提で治療しているのだからエビも何もないんです。

こんなことを言うと同業の鍼灸師を擁護しているみたいになってしまうけど、私は中立です。カッピングも浮腫に鍼を刺しまくるのも私はやらないけど、エビ関係なくこういう療法で良くなる人は一定数います。

胡散臭くなってしまう境界線

誰先生に施されたのか、というも治る一つの要素で、そこが若干胡散臭い世界ですが『猪木の闘魂注入』と同じ原理で、すごい療法をすごい人から施されたので良くなった、という人もいるのです。

それは西洋医学でも同じではないでしょうか。どこどこ大学の名医に診てもらえばどんな病も必ず治る、というのと。

病気や怪我って、大小に関わらず治るものは治るし治らないものは治らない。一番大切なのは見立てと技術だと思うんです。小さなクリニックでも大病院でも。

治療中の映える画像を載せて、不特定多数の方に『これをやれば治る』ように見せてしまったことは間違っていると思います。医療はアトラクションじゃないんですから。西洋医学なんか『絶対』という言葉は使いません。

外科や救急隊は絶対治るなんて言いませんし、言ってはいけないんです。

鍼灸マッサージ師がイマイチ医療に入れてもらえないのは、簡単に『絶対治る』みたいなことを言うからだと思うんです。派手なパフォーマンスとノリでSNSを使ってアピールすればみんな星5つつけてくれる。

プラスα接客も完璧だったら口コミは絶賛の嵐です。

医療はパフォーマンスではない

それに引き換え救急病院の口コミは散々です。救急の現場でそんな丁寧なおもてなしを期待するなんて、と母の入院の時もつくづく思いましたし、実力のあるクリニックも非常に低評価が多い。残念すぎます。

西洋医学も東洋医学もターゲットが同じだけに共存はまず無理でしょうけど、今回SNSで見かけた罵り合いはやる意味がない。もしやるなら匿名同士の小競り合いではなく、論文などを大々的に発表した方が有意義だと思う。基本的に考え方が違うわけですから。

さらにはリラクゼーションや整体の人達もかなり好き勝手に『〇〇矯正』だの謳いますからこの戦いは永久に終わらない気がします。たった2か月ほど骨と筋肉の位置を覚えただけでどうしてここまで言えるのか、と思ってしまいますが、今は言ったもん勝ちの世界です。

ちなみに私は鍼灸マッサージは治療の選択肢として間違っていないと思っています。胡散臭さなんか何もないです。

患部に直接触れて痛みを和らげる意味は大いにありますから。

手術以外の治療は全て『保存療法』と呼びます