接骨院、鍼灸マッサージは医療?

7月の末に茅ヶ崎市の自宅で開業できることになりました。私の場合、もう一年以上前からアイデアや経営方針が温まっており、常にエンジンをふかした状態でありました。

コロナウイルスの影響でどの業種も苦しく、私も同じく先が読めませんが一つ言える事は『やるしかない』ということです。先々のことを計画立てる暇はありません。今できることを今精一杯やるしかないのです。

少し熱苦しくなりました(^-^;

さて、開業にあたり屋号を申請します。その時に法律に引っかかってしまうワードがあり、それを除いて命名しなければなりません。私の業界では『治療』『診療所』など病院と間違うような名前はつけられない事になっています。『鍼灸マッサージ治療院』は『鍼灸マッサージ』を行っていることがわかり、おまけ的に治療院がついているのでギリギリセーフなのだそうです。(本当はやめて欲しい感じのニュアンスではありました)訪問で申請していた時は特に屋号は必要ないので、サラッと『治療とリラクゼーションの~』とうたっていましたが、店舗を持つとそうはいきませんので、いっそのこと治療は外そうとなりました。

では、病院で行う医療と一緒くたにしてはいけない理由として、何が一番問題かというと接骨院や鍼灸マッサージ治療院にいる国家資格者、柔道整復師、鍼灸あん摩マッサージ師は『先生』と呼ばれてはいますが、お医者さんではないのです。やっていることは『医療類似行為』と分類され、サービス業に属しているのです。

医療のチームにも含まれていません。例えば、おばあさんが訪問リハビリを必要とした時、医療チームが連携を取りケアマネージャーを中心としてスケジュールが組まれていきます。ですが、鍼灸マッサージ師の訪問診療はここに含まれておらず、別で医師の同意書が必要となります。今では本人が直接病院で医師から同意書を取ってこなければならず、以前のように接骨院が間に挟まることはしっかり取り締まられています。

鍼灸とマッサージの同意書は別々に必要ですが、保険の金額的にはどちらの同意書もなければ施術する側からしたらほとんどお金になりません。でも、こちらも規制が厳しくなり鍼灸の同意書を取ることが難しくなっています。税金ですから当たり前のこと。

法的には医療ではない。これは業界内でも永遠のテーマです。やっていることは治療、自分たちは患者さん助けている、そういう高い志で日々勉強し、働いているのです。

ここから先は私の個人的な意見ですが、私は正直どちらでも良いかと思っています。

本当は、頑張って医療チームに入る働きかけをしないといけないところですが、私は訪問マッサージをしていた時に『これは治療ではないな…』と思ってしまったのです。

治るものを治している感じがしなかったのです。例えば老い。訪問マッサージは難病の患者さんも多く大変勉強になりましたが、大半は高齢者です。脳梗塞の片麻痺などの病気を抱えているものの、病気の引き金となったものは老いです。私の中で老いと病気は別物。老いを治すことなどできないと考えています。3年間続けた訪問で、薄々患者さんも感じていると思ったこともあります。毎日15分足らずのマッサージで麻痺した手足に変化が起こるわけがないと。

接骨院で働いていた時は怪我の患者さんも多く、自分の施術で多くの患者さんが治っていく様を間近で見ることができました。それでもやはり、治るものばかりではありません。というより、体質改善や体の歪みの改善において私にできることはない、と思いました。鍼灸は特にここを推しているのですが、正直私は体質改善などは食生活や運動、心持ちと観察でしか叶わないと思いますし、体の歪みは筋トレと減量と観察が大事だと思っています。他人の力は個々の私生活にまで影響を及ぼすことはできない。私達が週何回か施術に関わる以上に個人が送っている時間の方が圧倒的に長いからです。

その辺の領域のアプローチは先生のカリスマ性もあると思います。憧れのタレントを追っかけるのと一緒で、その人を信じている限り奇跡は起こるのです(笑)

鍼灸マッサージ師のくせに自分のやっている事は医療と違う、と言うあたりが信者と呼ばれる固定のお客様をゲットできない原因でもありますが、私はお客様や患者さんが治って、良くなってくれれば医療といえなくても構わないのです。

治るものは治る、治らないものは治らない。そういう見極めが大切なのだと思っています。

実際、治るものは感染症や外傷の類です。ここに携わる医療関係者のやっている事はまさしく医療だと言えます。薬を投与したり、輸血、手術をしたり、命を救う活動です。本人の体力がなければ助からないこともあるかもしれませんが、基本『治療』をする。

逆に生活習慣病や精神病は、投薬して治っているわけではないのでちょっと違うかと思います。病気ではありますが本人の心持ちや日々の習慣を正すことの方が効くかと思います。

このところ、日本で良くない風潮が『なんでもかんでも病気に仕立て上げること』だと思っています。

老いも生活習慣が招いたことも全てに病名がつく。病気というカミングアウトをすることでやらなくて良いこと、免れることも多いはずです。そこが美味しくて病気になりたい気持ちにもなるのでは?と思います。

みなさんの給与明細を見てわかる通り、医療費は膨大です。一体どこにこんなにかかるんだ?というくらい毎月支払っています。私は年に数回歯医者に行くくらいですが、それでこんなに取られる必要あるのかと思ってしまいます。

病気でないものすら病気にすることで、日本人は無駄に病院通いが多いのです。今一度、その腰痛は病気ではないことを頭に入れておきましょう。

慢性だったら体重、筋力、体の使い方に問題があるのです。そこにフォーカスを合わせて、疲れを溜めないよう鍼やマッサージを受けてコンディションを保ってあげることが大切です。病気って本当はそんなに軽いものではありません。だからこそ、そこに関わる医療従事者は偉大な存在なのです。

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