鍼?ストレッチ?一体何をしたら良くなるの?〈前編〉

鍼、指圧、マッサージ、ストレッチなど色々ありますが、どれが一番効果的かはその方のタイプによりますので参考にしてみてください♪

まず、鍼。最近では痛くない鍼が流行っています。もともと東洋医学的な鍼は気を整えるもので、気は体の浅いところを通っていると考えています。そのため、腰が痛くても手や頭、足など、痛くない場所に浅く、たくさん打ちます。詰まっている経絡を開通させて腰の痛みを治していこうというわけです。

自律神経系の悩みを持つ方、高齢の方、不定愁訴(原因が明確でない症状全般)の方、体力に自信がない方に良いかと思います。なお、今訴えている症状が改善されるまではそこそこ時間がかかるのが東洋医学の特徴です。

スポーツ系の鍼は痛みの中心にダイレクトに打つことが多く、基本的に響きを与えます。患部の血流を一気に回復させて治癒力を高める考え方です。怪我の回復を早くしたい、痛みが強くなんとかしたい、そこそこ健康体である方はこちらがオススメ。

次に指圧。指圧は施術者にある程度体重がある方が効果的です。ですから細身の女性だと圧力が足らず、手押しになることも。手押しは揉み返しの原因になるので注意が必要です。

そもそも指圧自体に強さが必要なのです。筋肉の深いところまで圧力をかけて硬結という塊をときほぐし、血流を改善させなければならないからです。

指圧はコリを感じる方にオススメ。デスクワークなどで固まった肩や背中は筋肉の動きがなく、硬結ができやすいので指圧でほぐしてもらうと楽になります。運動している方でも、硬い場所がある方には効果的です。

マッサージは指圧と違い、着衣なしで行うオイルマッサージのことを言います。オイルマッサージはスポーツをやっている方の疲労回復に特に効果的。また、女性は水分の影響を受けやすいので浮腫みの改善にオイルマッサージが向いています。

乳酸や浮腫み、老廃物を心臓に向かって流していく働きがあるのでコリというより疲労感に対して効果があります。さらに、急性、慢性、炎症、全ての症状に使えるオールマイティなところが特徴。捻挫やギックリ腰の初日にも使えます。

ただし、コリや痛みに対して取り除くようなアプローチにはならないのであくまで疲労感や回復力を上げる目的であることに着目してください。

ストレッチは、筋トレを行った後のケアに有効です。また、硬い床で上向きに寝れない方は関節の柔軟性に乏しいので寝る前にストレッチを行うと良いです。筋肉の作用としては縮んで力を発揮するもので、伸びて何かをすることはありません。ですから、筋トレなどでしっかり縮める動きをした後、ストレッチをして伸ばしてあげると血流が良くなります。

ストレッチは向き不向きがはっきりしています。例えば、なで肩は肩の筋肉が常に伸ばされている状態なので、ストレッチでさらに伸ばしてしまうと逆に具合が悪くなります。こういう方は筋トレをした方が良い。割と筋肉が柔らかく、弛緩気味の方はストレッチしてさらに伸ばすより筋トレの方が調子が良くなるということです。

関節の柔軟性もストレッチには重要です。みんながみんな、同じ形でストレッチしようとすると関節が壊れますのでくれぐれもご注意を!

ポイントは『あ~伸びているな』と感じるところからあとちょっと伸ばして止めることです。形でなく、伸びていると感じたところですでにストレッチは効いているのでしっかり確認していきます。

ざっくりと体のケアについてまとめてみました。ついでにですが『やってもすぐ元に戻ってしまう』と思う方。その方は、一回ほぐれて楽になった体をキープするだけのコンディションが整っていないと言えます。ほぐしてもらうと楽になるなら、一旦回復しているのです。

そういった場合は2週間に一回、お手入れをするといいです。だんだん『今回は調子が良さそうだから来週でいいかな』というように間隔を伸ばしても大丈夫になってくるので、そうしたら1か月に一回、そのうちにスケジュールに合わせて一番お手入れが必要な時がわかります。自分の体の状態がわかる、という事は健康をコントロールできているという事なので、ひたすらマッサージに出かけるより自分の為になります。

不調が続く方は今一度、自分に必要なケアを考えてみてはいかがでしょうか?