悪夢と多夢、夢の話
東洋医学でいうと『心血虚』の状態になると悪夢や多夢という現象が起きるといいます。
心血は心臓の血液そのものというより『心が安定している様』を表します。以前ご紹介したように、東洋医学でいう『心』は精神を指しているので、ココが満たされているということ。
まず心で感じ、受け止め、考える。その処理が上手くいかなくなると脳に波及するという考え方です。脳は神志といって精神活動を意味します。よって、心血が問題なく充実していると精神活動も健やかである、ということです。悪夢&多夢は精神活動に影響が出ていますよ、というサインなのです。
私は時期により多夢、ところにより一時悪夢の時があります。
昨日早速悪夢を見ました。私の悪夢はいつでも『結婚式の音響でもう迎賓が始まっていて新郎新婦がドアの向こうにいるのに、かけるCDがない』というもの。さっきまであったCDが一枚もなく、無音で入ってくる新郎新婦。とにかく気が狂いそうなレベルの焦り。ここで『もう起きた方がいい』と判断し強制的に目を覚まします。これは夢だ!と夢の中で思っているくらいですから重症です。
同じ内容で毎回会場が違うという、手の込んだ悪夢です。一見過去のトラウマかのようですが私はこの手の失敗したことはありません。音響デビュー当時、一度だけCDが揃っていないことがありましたがギリギリ間に合い、無音で入場などにはなりませんでした。そして今はブライダルの仕事も辞めてしまったというのに未だに悪夢はこれなのです。ですから、この夢を見ると『ワタシ イマ ヤベェ』ということになります。
時々『お客様が来たのにベッドがない』という鍼灸マッサージver.もありますが、8割ブライダル音響の方です。そんな夢でも救いなのは『誰かに追い詰められているわけではない』というところ。誰も私の痛恨のヘマを気にしていないので話が進んでしまうのですが、一人で心臓がバクバクいって気が狂いそうになっているということです。
もう一つは高熱を出した時などに見る『細い硬い物に大きな物が乗っかっている夢』です。子供の頃から具合の悪い時の悪夢はこれ。こんな抽象的な前衛芸術のような夢ですが、今想像しても気持ち悪くなるくらい『なんか怖い組み合わせ』なのです。
よく追っかけられる夢、とか殺されそうになる夢とか聞きますがそれはほとんど見たことがなく、上記の3パターンのどれかです。銃で撃たれる夢を見たことはありますが、その撃たれた穴にティッシュを詰めて事なきを得る、みたいな話になるので全然怖くありません。
心血虚の状態になるにあたり、脾気虚も併発しやすいといいます。脾は東洋医学で胃腸の働き、消化機能を指します。消化機能が落ち気と血が作りにくくなっている状態です。もしくは食生活に問題があって血と気が作られていない可能性もあります。
心血虚は悪夢と多夢だけではなく、人の話が理解できない、物忘れ、焦燥感、不安という症状も。これらに悩まされている方は心血虚の改善をしましょう。
漢方薬はこれらの改善をするための薬ですが、キチンと漢方のお医者さんに処方された方が良いと思います。薬局で自己判断で買っても、その方のもともとの体質がその漢方薬に当てはまっていないことが多いからです。
でも、時々心血虚に陥るくらいならまず食生活や胃腸の状態から見直しましょう。栄養は足りているか?刺激物や脂っこいもので消化機能に負担をかけていないか?これらは簡単にセルフチェックできます☺︎
西洋医学はこのような診断はしませんが、胃腸の調子が悪く消化不良を起こしていたりすると消化のために胃に血液が集まりすぎて食後急激に眠くなったり、脳の活動が鈍くなります。東洋医学でいう脾気虚と心血虚の繋がりと何気に同じ。西洋医学だとそこに着目しない、というだけのことです。
そもそも東洋医学は『未病』に対するアプローチが得意ですから、悪夢、多夢のような病気ではない状態の時に手当てしておくことが大切という考えです。
10月は台風や災害もなく例年になく平和でしたが、企業の買収や倒産などで実は日本経済はボロボロです。そういう時には得体のしれない不安が体を蝕むこともありますから、みなさまくれぐれもお体、心にご自愛くださいませ。私は夏とうって変わってカレーを食べなくなりました。おかげで胃は元気ですがスパイスの恩恵を受けていない気がするので早速インドカレー屋さんに行こうと思います。それではまた♫