鍼治療は破壊からの創造

鍼治療は『破壊からの創造』だと私は思っています。東洋医学的な鍼は気の流れを整えるものなので違いますが、大体辛さが頂点に達した時にやって欲しくなるのが『鍼』。

鍼治療未経験の方でも辛さが限界になってくると、その効果を知らなくても鍼をやって欲しいと言うのです。

何故そこまで辛い時によぎるのかと言うと、何らかのきっかけで調子が悪くなり、放置と騙し騙し日々を過ごしていくうちにアライメント(姿勢)が崩れ、どこもかしこも痛くなってきて日常生活に支障をきたし始めるからです。痛みで人は死にませんが、ずっと体にこびりつく痛みは辛いものです。それならいっそのこと鍼でもやってもらおう、となるのです。私はこの時の心理がすでに『破壊からの創造』だと思っています。

鍼で痛みが軽くなることはあまりありません。

どちらかというと重くなります。これを好転反応と言ってしまえばそれまでですが、私はこの表現があまり好きではないので、重くなった時は何故そうなっているかの説明をして、その状況があまり好きではなく耐えられないようなら『鍼は合わない』と思ってもらって良いかと考えています。何故重くなって、それが正しい反応かというと、そもそも痛みを一か所に絞る特性が鍼治療にはあるからです。

例えば、膝がずっと痛いとします。膝のどこか一か所が集中的に痛い場合、人はそれだけなら意外と強い痛みでも我慢できます。ただ、膝全体が痛く、曲げても伸ばしても痛い、膝というより足全体がダルくなってくると耐えられなくなります。そこで鍼をすると、原因以外の場所の痛みがなくなって一か所に集中します。痛い部分が小さくなる、という感じ。だから痛いといえば痛いのです。その一か所に痛みが集中した後、辛さがサクッと取れるという流れ。体がそこだけに白血球などの免疫系を集中して送り、治してくださるイメージです。

また、神経も傷ついていた場合、痛みは鍼治療後一旦頂点に達します。

おそらく神経の特性だと思うのですが、何故か一旦ピークを迎えます。この時に『逆に悪化した』と言われてしまう危険はありますが、これも2日くらいでパッと消えます。神経が傷つくというのは、例えば肩凝りでも何でも、肉がずっとガチガチだったらそこの栄養状態は悪くなりますし、そこを通る血管や神経もダメージを負います。このダメージが大きかった場合、鍼治療での反応が出てきます。ちなみに、大腿外側皮神経痛という、腿の前側と股関節が火を噴いたように辛くなる神経痛では、もはやどんな体勢でも痛く叩くしかない状況になります。藁にもすがる思いで鍼をすると刺した痕が蚊に喰われたような点とグラデーション付きの赤い丸に囲まれ一瞬引きます。この柄、何故か神経痛の時に現れます。

痛い部分に鍼治療したことで施術後には若干痛みが緩和されますが、この神経痛は鼠蹊部の部分で神経が圧迫された時に痛むもので、太ってお腹が出っ張っても起こることがあり、キツいズボンを履いた時などに不意に起こります。ですから神経を圧迫する原因が取り除かれれば治ります。

特徴として両足。片足はあまりないです。根治は出っ張ったお腹や、キツいズボンをどうするかがポイントですが何しろ辛い痛みですので鍼を打ちたくなるのです。打って和らげつつ腹&ズボンなどの原因を並行して取り除いていくのがベストといえます。

こうしてみると、『好転反応』は民間療法のリラクゼーションなど施術後何となく重くなったような気がする時に使うポップな言葉で、鍼治療だと『破壊からの創造』と言った方がしっくりくるかと私は思うのです。痛みに対して見るからに痛いはずの尖った鍼を使い、何とそれを刺す、という行為。軽くなるわけがありません。

ただ、何もしなければ自然に治まるのを待つしかありません。少しでも早く治したい時の選択肢の最終手段が鍼だという、私の中の位置づけ。そして本来治療は痛いもの、優しくはありません。虫歯治療でリラックスしている人なんていません。そういうことだと思うのです。

私は足が致命的に弱いので、無理すると足が痛くなり限界に達することがあります。そういう時に中国足壺へ行きものすごい攻撃的な足壺マッサージを受けるのですが、それにより逆に足底筋膜炎になったこともあります。『先生、話が違うじゃないか(泣)』と翌々日までカカトをつけて立てない状況が続きましたが、そこからサクッと今までの地獄のような辛さから解放されるから不思議です。

痛みの場所にピンポイントで痛みをぶつける鍼治療はもともと刺激的な療法であると思っていいかもしれません。一旦壊して再生を促す、このプロセスが理解できる、その体力がある人に鍼治療は特にオススメですね(^-^)/

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