マッサージの本当の意味

ここ最近、私は我が家のペット黒豆や母のマッサージをしていたのですが『私のマッサージで治しまっせ!』と腕まくりして取り組んだわけではありません。それしか方法がないから慣れている私がやったのです。

黒豆は先日亡くなりました。19年と8か月です。

黒豆はおそらく心筋症になったのだと思いますが、歳が歳だけに部分ではなく全体的な老化で自然に亡くなりました。10月末に朝起きて来ず、足を引きずるようになったのが始まりです。調べたら心臓の機能低下により血栓ができて足の動脈で詰まっている、という症状が当てはまりました。この日からどんどん水も食事も摂らなくなるのですが、足を引きずりながらも根性でソファーに飛び乗ろうとしたり自分でトイレに行くなど、全力で自力を貫いていました。

ここで病院に連れて行けば、脱水の予防に水分の点滴や強制給餌を指導されたでしょう。でも、本人が食べたくない、水も飲めないと言っているのにそれを体に注げば体の中は処理できない水分で水浸しになります。一時的に元気になったとしても肺水腫などの合併症に苦しむ事になります。黒豆が頑張って水飲み場に行って飲む(ほとんどアゴについてるだけでしたが)のを見守るしかありませんでした。

10月末に足を傷めた時、とりあえず引きずる足を付け根からマッサージしました。黒豆は背中や尻尾を触るとゾワゾワするようでしたが以前からお腹のマッサージが好きで、股関節周りは特に気持ち良さそうでした。血栓は小さければマッサージで流れてくれるということで、ちょっとでも足が自由になれば…という感じです。とはいえ、その流れた血栓がどこへ行くのやら、と心配は尽きないわけです。

心筋症に当てはまる、というだけでもしかしたら脳梗塞かもしれないし、詳細は謎です。それでも何とか倒れた3日目にはソファーにジャンプできるようになり、団地の廊下をお散歩できるようになりました。この回復も謎です。

黒豆は誰に指導されるわけでもなく、廊下のどこまで行けるか毎日一回、チェックする様にお散歩を続けました。それから、数日間スープしか飲めなかったのに固形にチャレンジしてみる、など今自分でできる事を一生懸命やっていました。

そうして11月の1か月はみんなと過ごしました。黒豆はここ数年夜鳴きが酷いのと、人の布団に乗って寝ることもなく、お散歩もしなかったのですが、最後の1か月はみんなの布団で一緒に寝て、毎日お散歩をするという生活を送りました。全てセルフプロデュースです。

心筋症は若いネコさんでも罹る事があるらしく、不自由になった足は血行不良で壊死になったりする重大な病気です。黒豆は足腰が確実に弱くなっていましたが、亡くなる3日前まで両足で何とかストーブの前にたどり着いていました。

医療のお世話にならない時にできる事なんてマッサージくらいしかないのです。

私はこの資格を取ってすぐ訪問マッサージの仕事をしました。この時は選ぶ余地がなかったのですが、訪問マッサージに何の意味があるのか?日々自問自答していました。接骨院的にはQOLの改善、血流改善、リハビリなどそれらしき言葉が並ぶのですが、その意味を本当に果たしているのか?甚だ疑問でした。商売にするとどうしてもこうなってしまうのです。

人間の場合、死ぬ間際の医療にものすごくお金がかかると言います。動物は最後に何も要らなくなるのに真逆をいっていますよね。

訪問マッサージでも、手厚い医療、大量の薬を処方されている状態で毎日私達が出向きたった20分程度のマッサージを施す。どれが効いているのかわかりません。黒豆や骨折した母にマッサージをしていた時、さりげなくずっとさすっている感じがしました。私がみんなをどうにかしようとしているのではなく、みんなから必要とされている感覚は初めてです。

どこかの国では80歳以上で病気に罹った時、それは医療ではなく牧師の仕事になると聞いた事があります。黒豆のお腹や足をマッサージをしている時、本当にそんな感じがしました。このマッサージは医療ではない、でも患者さんの癒しに確実になっているな、と思いました。

私はお腹や股関節周りを普通に触れますが、こういう部分は触りにくい部分です。妹は黒豆の手や頭、そのほかの部分をずっとさすっていたようですがそれでも私が次の日に触ると足がポカポカしていたり肉球がプリプリになっていました。これだけでもマッサージの効果を感じとれます。ここ数ヶ月、私は医療と違ったマッサージの意味を感じる貴重な経験をしました。

きっと鍼灸もマッサージも、長い歴史の中の一番最初はこんなところから始まったんだろうな、私も初心に返ってもう一度自分の施術を見直していきたいと思います☺︎それではまた。

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かわいいペットが、動物が苦しんでいる時はマッサージをしてあげてください✨