ゴッドハンド治療院で失敗した話

ホームページ、ブログで大切なのは『役に立つコンテンツ』。こうするといいよ、という有益な情報をたくさんご紹介しなければならないのですが、今回は逆に『失敗談』をしてみたいと思います。同じ失敗した方は胸を撫で下ろしていただき、まだという方は同じ道を辿らないよう注意していただけたらと思います。

それではいってみましょう☺︎

ホームページが素晴らしいゴッドハンド治療院へ

この仕事をしたての頃は、まだ自分の施術スタイルも決まっておらず東洋医学も西洋医学も捨てられずに非常に中途半端な時期がありました。

そもそも東洋医学に興味があってこの資格を取ろうと思っていたのに学校を出る頃には東洋医学が嫌いになっていたのです。

それでも理解したいと思い、何度か『ゴッドハンドがいる』という治療院に行ってみたことがあります。その中の一つは都内にありました。とにかくホームページのトップに誰だかの推薦やら金メダルみたいなマークがいっぱいついており(のちに口コミサイトのものと判明)、すごいちゃんとやってくれると書いてありました。茅ヶ崎から都内へわざわざ行ったのです。私の期待がどれほどのものだったか。

行ってみたところ、やはり看板は期待通りすごさが滲み出ています。

ここで私のリサーチ不足かわかりませんが、なんだか勤務先のスタッフと似た感じの、えらい若いお兄さんが出てきました。私より明らかに年下で、接骨院って感じするけど大丈夫なのか⁇という思いとともに問診です。

数ページに渡る体質チェック現る

東洋医学の面倒くささは体質チェックが非常に長いことです。細かく体質を分析し、漢方医ならこれで漢方薬を処方できるというものです。鍼灸治療ではこの診断でどこに鍼を打ち、どういう刺激を与えるか決定します。本場中国では、鍼灸治療と漢方薬を合わせて治療することが基本です。

この長き体質チェックは私の苦手するところですが、こんなに本格的にやってくれるということは何か最終的に得るものがあるハズ、と思い最後まで頑張って正直に答えました。

しかしスルーされた体質チェック

体質アンケートに真面目に答え終わり、先程の若者が回収に来ました。本格的な診断の始まりです。私も学校でちゃんと学び、それとは別で講習会にも出席していましたが緻密さに欠けるので、どうしても途中で道に迷い答えが出せないタイプでした。勉強させてもらいます!そういう気持ちでしたが、診断の紙はめくられることもなく、どこが辛いか?ということを聞いて早速施術室に案内されました。

部屋で答えが出るのか?

と思っていたところ、もうすでに若者は問診票は持っておらず、以後体質の話に触れることはありませんでした。自分が鍼灸マッサージ師であることを言わなかったがためにかわされたのか?それとも最後に言う気なのか?不安のまま患者着に着替えます。よくあることなのですが『聞いたからには反応して欲しい、興味がないなら聞かないで欲しい』私は強く思います。

普通の浅い鍼

東洋医学鍼は深く刺しませんし、とても細いものを使います。若者が結局施術も担当するんだな、と思ったところで、よく見ると若者と私しか治療院にいないのです。

そして鍼治療に入ったのですが、私もよく知っているメジャーなツボに刺していきます。大体そこであろうツボにものすごい速さで刺し終えました。速度に関してはゴッドハンド的だな、と打つのが遅い私は思いました。

そして遠赤外線ライトを当ててしばし放置。東洋医学はしばし放置が必ず入ります。こうやって気の流れを整えるのだと思っていましたが、担当の若者はこの間他のベッドにある干渉波のスポンジを外しています。後片付けしている…ということが気になり、干渉波があるってことはここは接骨院なのか…?とも思いました。ホームページは結構伝統ある鍼灸治療院という感じだったのに…

店じまいの支度が終わって鍼を外しに来ました。この辺りで若干私は(ひょっとして大したことないパターンじゃ?)と気づきます。よくあることです。

普通の浅い鍼が終わり、上向きです。今まで下を向いていたので次は上向きです。それできっと合谷と足三里に打つんだろう…と思っていたら本当にそうで、膝から下をまた遠赤外線で温めます。(これだったら私でもできる)そう思い始めたところで、これはきっと施術後も先程の体質診断の結果を教えてもらえないな、と確信に変わったのです。

そこからの私は『若き鍼灸師の実技を受けるただの同業者』です。同業者だからもう最後の流れもわかる。おそらくこの後何らかの個性を出してくるはず。そうじゃないとあまりに平凡。

最後に出してきた個性

だいぶ放置されていたけど、何かが整った気はしない。最後の締めはホームページのどこにも載っていないトリッキーな施術でした。鍼を抜き、下の枕やマットを外した後、私の片手をバンザイの位置まで持ち上げ、次に何をするかというと口の中に指を入れてくるのです。

もちろん指サックをしていますが、そして口の中から顔の筋肉をほぐす方法があることも知っていますが、ここで出会うとは考えてもみませんでした。

何かのコリを見つけるとともに腕の上がり具合を診て、そのコリを押します。私はそもそもそんなに口が開かない(顎関節症)ため、結構キツい時間でした。(これはきっとこの治療院の手技ではなく、この若者のオリジナル手技だな)と思いました。こういう、何かを調節する手技も無数にあります。

結果、ほぼ普通の接骨院

これで施術は終了しました。感想としては『受けても特に何も変わらなかった』ということ。気持ちよくも悪くもなく、何も起こらなかったということです。それはそうです、辛いところを押しも揉みもされていないのですから…。それでも私は最後まであの数ページにわたる体質診断が気になっており、何ならお土産にアレ持って帰らせてくれないかな、と思いました。

きっと、ゴットハンドはこの治療院かこの系列店に一人だけいるのです。

でも、その人はセレブからの指名で忙しく、私のようなポッと出の雑魚客はその弟子達が担当するのだ、と思いました。東洋医学鍼灸院にありがちなのですが、ゴッドの司令に従ってまだ学生みたいな子分が鍼を打つことです。

鍼を打つ本数と細かい診断が必要になるため、手が回らないからそうなってしまうのですが、でも、ぜひそこも含めてスゴいと言われている先生に打ってもらいたかったです。

大体、東洋医学の治療院に来ている時点で接骨院より期待値が上がっているのです。それが、ほぼ接骨院だった時のガッカリ感。これなら中国足壺で気合い充分の中国人に足ツボをやってもらった方が満足度は高かった。

『ゴットハンド治療院探し』はやめよう

これを最後に『ゴッドハンド』をうたう治療院に行くのはやめました。多分、私のようにお金持ちでもない、基本元気な人はゴッドハンドは担当してくれない。そういう人にやってもらうなら、何らかのコネやお金が必要なのだと思いました。

でも、よく考えてみたら私は巨匠の前に出ると萎縮してしまいリラックスできないタチです。治っていなくても治ったと言ってしまう性格です。私がもう一度受けたいな、と思う施術は大体テキトーな施術者がやってくれたことが多かったのです。テキトーで大らか、そして朗らか。こっちも構えずに済むという。

そういうことがわかって良かった。施術途中から、帰りは向かいの年季の入ったパーラーでパフェを食べようと考えていたので、そこで今日一日の経験からの学びをおさらいです。

今日の学び、『ゴッドハンドは私のそばにはいない』

そしてゴッドハンドか否かよりも、ちゃんと普通に良かれと思うことをやってくれればそれでいい、そう思いました。施術する側、される側、どちらになっても私はそういうスタンスでいよう。みなさまもぜひ治療院を彷徨い歩く時の参考になさってください(^-^)/ゴッドハンドってそんないっぱいいないし、そもそもいないかもしれませんから。

それではまた🙌

〜リラクゼーションと鍼灸あん摩マッサージの家〜しろたえのHPはこちら☺︎

何度もゴッドハンド降臨を夢見ていましたが、結局会うことはなかった…多分指名料が必要(涙)