閾値とオーバードーゼ~そして私と中国足壺~
なんだか難しい言葉のようですが、意味は簡単です。今日は『閾値とオーバードーゼ』についてのお話です。(サブタイトルはおまけのエピソード)
閾値は、高い低いで表します。一番わかりやすいのは壁のイメージです☝️マッサージの強さを『弱めでお願いします』という方は、痛みを感じる壁が低いのですぐ『イテッ!』となります。逆に常に強めを希望する方は痛みを感じる壁が高いので、その壁を越える強さでないと痛いと思わない。閾値というと値が高い方が痛がりのように思いますが、低い方が痛みを感じやすいということになります。
また、閾値には個人差がありまして、それは施術者にはわかりません。ビジュアルは判断材料の一つですが、ほとんどアテになりませんね(^_^;)マッサージ以外でも痛みにやたら強い人、弱い人ってもともといます。もう一つ例をあげてみましょう。今日一日、何も起こらなかったことを幸せと思うタイプの方は幸せを感じる壁が低め設定です。低いがためにとりあえず食べたケーキが美味しかった、お天気が良かった、そのレベルで充分幸せと認識することができます。反対に、今日一日何も起こらず退屈であった、無駄であった、と考える人もいます。その方は壁が高め設定ですのでケーキが美味しかったくらいでは幸せを感じない、ということになります。どちらがいい、悪いではなく、その方の個性ですのでそれに合わせた何万通りもの生き方があるということですね☺︎
次にオーバードーゼ。こちらは聞き慣れないかと思いますが『刺激量』を意味します。マッサージや鍼での刺激量がその方の耐えうる許容範囲を超えてしまった時に、楽になるはずが逆に辛くなってしまった、ということを表しています。これは大体予測がつくものです。
小柄な女性と屈強な男性だったら、鍼の太さ、長さを変える必要があります。ちなみに屈強な女性だったら屈強な男性寄りの鍼を選びます。このように、サイズや性別、色々な状態を考慮して施術は始まるのですが、ちょっとした加減で刺激量が多すぎた場合『オーバードーゼ』となります。主に揉み返しのような反応が起こります。
鍼灸マッサージの業界では少し前から『優しい、痛くない鍼』が流行っていますが、これはできるだけ弱い刺激量で治るに越したことはない、という発想です。刺激というものはあまり本人の希望通りにやりすぎてもどんどん耐性ができて鈍くなるのです。結果、どんな刺激にも反応しないという『知覚鈍磨』に陥ることで、体の反応、感覚は麻痺していきます。大抵、調子が悪い状態の初期は知覚過敏を起こします。そこで治療をキチンとしていけば痛みが取れて元の状態に戻るわけですが、やりすぎたあげく鈍くなる、というのは知覚過敏の先にあるわけですから体の状態としてはより悪化している、ということになります。
そのため、強刺激よりも弱刺激で治す先生は見立てが上手かったり技術がすごかったりするわけです。
健康のバロメーターとして、敏感よりも鈍くなる方が恐ろしい。痛みや刺激を感じなくなるというのは生き物として危険なのです。
閾値とオーバードーゼを考えると、じゃあ一体何が一番正しいんだい?🌀と混乱を招くかと思います。もともとどちらも個体差の大きいものなので、正解は何かというと『やってもらったら治った、楽になった』という状態が自分にマッチした正しい施術、ということになります。つまり、これで治る!といったうたい文句は通用しない世界。それが鍼灸マッサージだと思います。これで治るというより、その施術してくれた人と自分が合っていた、そんな感じです。だから合う人が見つかるまでボヘミアン状態が続くというわけ。
私は数年前から足が限界になった時に中国足壺に行きます。
ここはとにかく、モーレツに痛い足ツボです。中国の方がやってくれるのですが、一律で凄まじき強さの施術。私は強くやって欲しいわけではないのですが、そこそこ強くないと施術後何も変わっておらず、何しに来たかわからない状態になります。ハズレの足マッサージ屋にたくさん行く時代を乗り越えてここに到達しました。
私はここには本当に辛い時しか来ません。何しろ指圧が痛すぎるので定期的に来ようという気分にはならないのです。でも、確実に足が蘇ります。私は静脈瘤があるので足が疲れやすく、あまりに酷使すると紫色になってむくみます。自分の足が重すぎて持ち上がらないこともあります。(早く手術しろ、っていう話ですが)静脈瘤はセオリーでは強いマッサージが禁忌ですが、私は何故か大丈夫です。こういうところが閾値とオーバードーゼの関係かと思います。
私は足に関しては閾値が高く、幸せに関しては閾値が低い。
足がオーバードーゼとなる時はきっと施術時間。この痛さで60分やったら逆に足が壊れると思っています。実際遠くの恵比寿まで行くのだから60分やってもらいたいところですが40分が限界です。そして、幸せに関してはきっと働かなくても困らず、朝からワークショップに行ったり自分探しに勤しめるようになったらオーバードーゼで逆に不安になると思います。今のように若干切迫詰まっている方が私には合っている、喫茶店が空いてて静かでケーキが美味しかったらそれで充分幸せなのです。
どうでしょう?どっちが良いかはその人による、というのがよくわかりますよね☺︎
巷に溢れる美容や健康の情報も、自分に合っているか合っていないかは自分で決めることです。見ず知らずの誰かがそれで良くなったとしても、それが自分に当てはまるかはわかりません。まずは閾値という自分の中の壁の高さを知りコントロールしてみましょう。痛みと幸せの閾値とオーバードーゼがなかなかわかりやすくて面白いんじゃないかな、と思います♫
今日はここまで(^-^)/
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早く良くなってね!