言葉の威力

問合せ業務のスキマバイトは9か月続きましたが、その部署が今月にはなくなるので一足お先に退職しました。

人不足の職場を辞めるのってためらう。

ましてやとてもよく仕事を教えてくれて申し分ない職場環境だった為、せっかく軌道に乗り始めたところで辞めるとも言いにくい。でも、部署がなくなるとなれば後腐れなくスムーズ辞められるではないか。

言葉のみでコミュニケーションを取る仕事というのは私には合わなかった。やっぱり表情があったり場の空気があったり、色々な情報が読み取れる対面がいいですね💦

コールセンターの受電は初心者にはハードだと聞いていましたが、罵詈雑言を浴びてばかりではないんです。良い人もたくさんいるし、スムーズに進むことの方が多いんじゃないかな。ただ『たまにくる酷い相手が、続くわけではない』という保証がないのです。

普通に続くんです。

こういった相手への対策を自分なりに勉強したとて、この相手は二度来ることはない。また別の角度から嫌な奴が来てやり込められるだけなのです。

明らかにおかしい人よりも私が追い詰められたのが『無理難題を突きつけてくる人』。一度手続き完了したもののキャンセルを、今すぐやって、なかったことにして欲しいという類のもの。今のサービスって便利な反面、色々なシステムや業者が複雑に関わっているので、人力では簡単にできても、手続きの段取りが必要で、今すぐにできるわけではないのです。

日々、こういった問合せというよりも『問い詰め』になんだか疲弊したというか、虚しさを感じました。前に進むことはなく、ひたすらこんな毎日が続くなんて軽く地獄🌀そう思いました。前に進むのなら耐えられるんですが。

私は病みはしませんでしたが、途中からいい加減になっていきましたね。

私なりに病んでいたのかもしれません。最後は何も考えずにひたすら時計ばっかり見ていました。早く終われ、と祈っていたんですね。

仕事とはいえ、毎日毎日言葉で追い詰められるのは辛いです。体に堪えなくても、浴びるというだけで良くない。そういう『言葉の威力』を肌で感じました。

その時も後も、慣れて何も感じなくなったとしても、浴びてるだけで良くないと思いました。イライラしている人の気とか言葉。

向いている人もいると思います。対面よりも面倒くささはないですから、あっさりサッパリその場限りで、言葉で応戦できるタイプにはピッタリだと思います。

ボディケアの仕事は人に触るから『悪い気をもらう』とか言いますが、私はあまり感じなくて、むしろこちらの『言葉での応酬』の方が浄化を必要としていました。柔道の練習でひたすら投げられると、投げられてる方がむしろ疲れる、というのと似ている気がします。

そのくらい『言葉』には力があります。

何気なく放った言葉を、相手は一生忘れないこともあるし、それがきっかけで人生が変わることもある。

だから、浴びるにしても放つにしても言葉は大切にしないとね。

結局、言葉で追い詰めると相手も萎縮するのでいいことないんですよ。ましてや、スピードアップなんて絶対しない。焦ってさらなる失敗を生んで何もいいことは起こらない。

何本も電話を取ってみて気づいたのは、二重三重で災難に遭っているタイプはそもそも上手くいかないやり方を選んでいるんです。相手を追い詰めて、今すぐやれと焦らせる、焦ったスタッフが何でもないミスをしてさらなる失敗を生む。

一箇所トラブっても問合せ中に解決するようなタイプの方は待ってくれるんです。

それから、日本のサービス業ってそもそもちょっとへりくだりすぎです。そんなに平伏さなくても、もっと対等に喋ってはいけないのか?対等に喋れて、尚且つお客様のニーズに応えられるのがスマートなサービスではないのか?と思ってしまいます。

『できない』とは言わずに『できかねる』と言ってみたり、怒りをおさめるためにまずはサンドバッグになるという発想。これじゃいつまで経っても前線の兵隊(私のようなバイト)は疲弊し病んで、辞めていってしまう。

悪くないのに謝ったり、全然ありがたい場面ではないのにありがとうを連呼したり。クッション言葉やらビジネス用語やら、ややこしいシステムをさらにややこしい言葉で包み込むから話もいちいち長くなる。

まず『これはできるけどあれはできない』というのを減らすべき。

ネットからならできるけど、電話ではできない、とか、全ての条件が揃った時のみできる、とか。なら最初から『簡単』とか『ラクラク』とか言わないでいただきたい🤚ラクラクにできる条件が非常に限られているのだから…

良いものを観たり、聴いたりすることって心の栄養になります。

言葉も同じく、出来るだけ『良い、前向きな、心のこもったもの』を放ち、浴びたいものですね。