鍼?ストレッチ?一体何をしたら良くなるの?〈後編〉
前回、たくさんあるボディケアの中でどんなものがどの症状に効果があるのかお話しました。今回は体の部位別に効果があるものも合わせてご紹介していこうと思います。
立ち仕事で足が痛くなる方へ。棒立ちか、座る事がないだけで動いてはいる、との違いはありますが、その場で足の辛さが取れるセルフケアがあります。仕事中、立っている事がキツくなってきたら、まず拳を握りしめます。そして足の側面、ももの横側を上から下へ満遍なく拳で叩いてください。痛いのは足の裏だ、という人もやってみてください。
気持ちいいと思う強さで大丈夫です。かなりの強さで叩いても問題なし!なぜ、こんな場所を叩くのかというと、ネットなどで調べてみるとわかりますが、ももの横には腸脛靭帯という長いバンドがあります。このバンド、実は立っている時にめちゃめちゃ酷使しているんです。個人差があり、もともと硬い人がいます。ある程度硬さがないと都合が悪いパーツですが、かといって柔軟性もないといけない、というちょいと面倒くさい仕組みです。
立っている間、腸脛靭帯はバシッと張っています。ただそれが長時間となると、だんだん体重を支える事が辛くなり重心が外側に分散してきます。猫背で腹筋をポコッと出した姿勢になってきますよね(^_^;)外側に重心がかかってくると、腸脛靭帯が外側に押されてさらにテンションがかかります。立ち姿勢を保持するためにマストな靭帯が疲労困憊になるとどうなるでしょうか?立っていられなくなりますね。
そこの回復を、拳で叩いて図るというわけです。この『叩く』というケアは叩打法といってマッサージの種類でキチンと名前があります。
叩くことで筋肉を震わせ滞った血流の回復を促したり、オイルなどの成分を行き届きやすくします。お料理でお肉に塩をまぶして叩くのと同じ事です。
叩打法は、酷使している最中の状態に効果的です。スポーツの試合などでずっと使い続けていたり、長距離マラソンなど、パンプしてしまっている状態に良いです。
硬結とかツボを押して欲しい感じではない時。場所がハッキリしていない筋疲労の時に有効です。筋肉が疲労している時って、その場所に乳酸が発生します。さらに交感神経などの働きも加わり、店でいう繁忙期を起こしている状態。ですから、全員が総出で動いている時に動線にある邪魔な物をササッとどかしてあげる人がいるとスムーズに進みますよね、ってことです。
なお、腸脛靭帯を叩くことで痛みなく立ち続ける事はできますが、腰が痛い方には若干パンチの弱いアプローチとなります。立っていて腰が痛くなる方はこちらです。
これも、立っている状態が辛くなった時に速攻でケアできる方法です。まずお尻全体に全力で力を入れます。それはもう全力でお願いします。
コツとしては、お尻を一個にする勢いです。真ん中にギューッと全力で寄せたまま、もう無理だというところまで力をキープしてからの、脱力。これを尻が疲れるまでやってみます。
そうしたら、今度は骨盤を手のひらで横から押さえます。先程やったお尻に力を入れるのと合わせて左右から垂直に押します。そしてキープ。腕が疲れますが、骨盤を締めているので仕方ないです。これを何回か繰り返した後、確認してみてください。腰、軽くないですか?
これも腸脛靭帯のケアと同じ、立ち姿勢のうちに体重が外に分散されるために骨盤がメリメリと外側に開くために起こる腰痛に対するアプローチです。正確にいうと仙腸関節を締めています。また、お尻の筋肉も体重が外側に寄ることで腰を支える事ができなくなります。股関節を外側、そして上方向に働きかけますので中臀筋に圧力がかかります。そこを即席筋トレによって内側に寄せます。
つまりは姿勢が崩れるから体が痛くなるんですが(^_^;)姿勢が崩れる原因として筋疲労や酷使がありますから、速攻でメンテナンスして立ち続ければ立派な運動となり、体は強くなります。ちなみに私は結婚式の披露宴会場で唯一、椅子のない部屋に配属されています。
ここで2件婚礼をする際は、10時間以上棒立ちが続きます。スタッフは他にもいますが、何しろこの部屋のオペレートは体を痛めるため誰もやりません(笑)
初めは慣れない棒立ちで痛かったです。でも、コツがわかってきた今、疲れはしますが痛くないんですよね。さらにマッサージの仕事とは違ったタイプの酷使になるので、いいトレーニングになっています。
きっと、保育士さんや介護士さんにも使えるケアだと思います👍是非一度お試しあれ♫