突き上げてくるような胸の痛み
行き場のないストレス
突き上げてくるような胸の痛み、ちょうど胸骨後ろらへんに感じる空気が詰まって突き上げてくるような感覚がある方はいませんか?その症状は東洋医学では『梅核気』といい、『ヒステリー球』とも言われています。
胸のあたりで梅の種のような空気の玉が留まり続けていて、逃げ場がない感じ。実際には何もありません。
その場で爆発するんではないか?というくらい、胸骨の後ろが痛くなります。しばらく耐えると消えていく…そして、いつの間にかおさまるという謎の症状です。治る、治らない、諸説あります。これは主にストレスが原因で起こる咽喉頭異常感覚症と名前がついているそうで、鍼灸マッサージでもこの症状を治さんと頑張っている治療院がたくさんありますが、私は第三者が治せるものか?ここでも疑問なので、私なりの梅核気の考察をご紹介します。
咳などの強い症状の時に、鍼灸でも対処法があります。天突というツボが鎖骨と鎖骨の間の窪みにあるのですが、そこに鍼を入れ胸骨の裏に沿って刺入するという方法です。結構ビックリ系の鍼治療ですがこれは中国鍼の先生がやっていました。だからちょい過激です。
刺入している最中に咳き込んだら超がつく危険。咳き込まないよう、患者さんは我慢しなければなりません。(この間、咳き込みの症状は改善されているという解釈にもなりそう)
これで治るとしたら『刺入後どデカい咳が最後に一回出ておしまい』となりそうです。これだったらさぞ気持ち良いでしょう。でも、実際そうなりません。
ヒステリー球の正体
私の思うところのヒステリー球ですが、これは逆流性食道炎の軽めなやつor始まり、ではないのか?と思っています。逆流性食道炎は食道に胃酸が流れ込み食道が荒れるもの。胃酸は流れてこないよう、胃の上部下部にはキチンと巾着のような形で絞られているのですが、消化不良や胃酸過多、食後すぐに横になるなど、何らかの条件が揃ってしまった時に、絞りを突破してくることがあります。胃酸はストレスの影響も多く受けますので、様々な条件が揃った時に逆流性食道炎も現れる、そんな感じです。逆流性食道炎の症状もヒステリー球と似ています。胸焼けと突き上げてくるような痛みが同じです。また、喉の痛みもあります。
今はコロナウイルスにも神経を張り巡らせていますから、喉の痛み=コロナとなってしまいますが、コロナやインフルエンザでなくとも逆流性食道炎でも喉は痛くなりますのでぜひ冷静に観察していただきたいと思います。
自分で自分の体を観察するにあたり、思い当たるフシがあったらこのヒステリー球の正体は逆流性食道炎かもしれない、と疑ってみても損はないと思います。
だとしたら、鍼を喉に刺したところできっと治りません。また、逆流性食道炎を治そうと薬を飲んだり、お医者さんのところへ足しげく通っても実際効果は薄いと思います。
胃酸は先程言ったようにストレスに左右されることもあります。このストレスにアプローチするにあたって鍼灸マッサージを取り入れることは良いかと思いますが、胃酸が逆流する原因を根絶することが本当の根治となります。それは食生活です。
食生活を見直してみる
刺激の多いスパイス系(カレーなど)や、チョコレート、コーヒーなどを摂りすぎていませんか?あと、消化に時間のかかる肉料理などを夜遅く、たくさん食べていませんか?また、現代人は朝から畑仕事がある昔の人とは違います。夜遅くに焼肉を食べておきながら朝ごはんを抜くと体に悪いという情報を鵜呑みにして、お腹も減っていないのに朝ごはんを食べてはいませんか?
胃に負担をかけることで消化不良は起こります。そこで負けてお腹を壊して下すなら自然かもしれませんが、基本胃もギリギリまで頑張ります。主がせっかく良かれと思って食べた養分、それなら吸収してやろうではないか!と胃酸を増量させて消化に全力を尽くしてくるボディをお持ちの方もいます。それを繰り返していれば胃は荒れ放題、その次には逆流性食道炎、と駒を進めてきます。ですから、駒を進めてこないように胃酸過多、消化不良を何とかするのが結局は根治に繋がると思います。
ここでまた間違いを犯してはいけないのですが、胃腸薬を飲んで症状の改善だけを目指すべきではありません。胃腸薬を飲んで暴飲暴食をやめない、ということはストレスの元にも目を向けておらず問題はそのまま。逆流性食道炎にならずともメタボや成人病が待っています。正しくは、一時的な不快感を取り除くために薬を使い、同時に食生活や夜更かしなどの生活全般を修正していくべきです。
ヒステリー球はきっと体の警告。今、すごくストレス溜まっているよ!そう教えてくれているのです。体の声をここで受け止めて、まずは胃や食道を労る生活を送りましょう。きっとその先にある病の方がヒステリー球より何十倍も厄介ですからね💦
では、今日はここまで(^-^)