骨盤は矯正できないと思う!
特に、手技で骨盤は矯正できないと思う!
またまた『こんなこと言っちゃおしまい』みたいなことを言います。
私の考えですが、骨盤を矯正することはできない。よって、巷に溢れる骨盤矯正はエンターテイメントという話です。もし、ご自分の不調が骨盤の歪みかもしれない、でもどこへ行ったらいいかわからない…と悩んでいる方は『こういう考え方もあるんだな』と参考にしていただければと思います。
骨盤由来の腰痛はある
これは実際私が経験したのですが、骨盤の、仙腸関節由来の腰痛というのは存在します☝️このジョイントの不具合で腰が痛い場合、立とうが座ろうが横になろうが、楽になるポジションがないという特徴があります。女性は特に仙腸関節が柔らかいですからここがすぐ動くんです。柔らかいというのは出産に適しているからであり、実際には仙腸関節は固定されている方が日常生活では都合が良いのです。だから出産後は必ず骨盤ベルトで固定がオススメされるのです。
開いた仙腸関節は出産を終えたら放っておいても元のポジションに戻りますが、歳を取れば取るほど戻りが悪くなります。この戻りの時期を利用して、以前よりも正しい位置に骨盤戻しちゃおうよ!というのが産後の骨盤矯正と呼ばれるものです。
以前より間違った位置、というのがどこのことなのか?強靭な結合組織で繋がれた骨盤周囲の関節を、正しい位置に戻すことが第三者の、しかも手技で、ほんの数十分でできるものか否かはわかりません。それを確かめる術はありません。
先程言った、私が経験した仙腸関節由来の腰痛は、矯正の手技で悪化したことしか思い出にありません🌀一瞬良くなった気がするものの、後にさらに悪化したことしか記憶にありません。
私はモビリゼーションの勉強会には何度も行ってみました。ジョイントの治療を試みよう、理解しようと思ったのですが、結局手技の練習中に具合が悪くなって終わる、という繰り返し。講義のたびに怪我をしているような感じです。
仙腸関節はそもそも動かすものじゃないです。固定して、あとは自力でその位置をキープする筋力と姿勢が大切です。
骨盤は歪むこともある
骨盤=出産、みたいなところがありますが、それだけではありません。食べ過ぎた時、体重が増えた時も骨盤に物理的重みが加わることで仙腸関節がたわみ、骨盤は開きます。すぐにイメージできると思います。色んなブロックが繋ぎ合わさってできた器が骨盤ですから、そこに物を詰め込み過ぎれば繋ぎ目にプレッシャーがかかり壊れたり、広がったりします。
そこに腹筋、骨盤底筋群、内転筋など骨盤を支えてくれる筋群の弱さが加われば、器は広がるだけ広がり、閉めたり戻ったりできません。できないというか周囲の協力がないのできっかけがないのです。
本当に歪むと痛い
以上のことから、骨盤が歪めば腰は痛くなります。痛くないのに骨盤が歪んでいることもあるかもしれませんが、これはその方の体に歪みが順応している、ということになります。マラソンのランナーは、公道をいつも同じ向きに走ると、車道側が坂になっていることから、無意識のうちに骨盤の左右差が現れます。ただこれが悪いかどうか?本人が異変を感じるようなら時々反対周りすればバランスは良くなります。コースを変更せずいつも通り同じ道を走り、整骨院などの骨盤矯正で戻す、というのと、骨盤矯正しないで反対周りをトレーニングに加える、というのでは実際効果が出やすいのは、ダイレクトに負荷がかかる後者ではないかと思います。
また、水泳、バレリーナといった独特の姿勢や環境で行うスポーツは、そのスポーツの特徴的な動きが骨格に出てきます。これを『歪んでいる!』と言って余計な手を加えることでそのスポーツに支障が出ることも大いにあります。痛くなければ余計な矯正、調整はしないに限ります。
じゃあ骨盤の歪みはどうやって治すのか?
痛くもないけど、骨盤の周り、下腹部にごっそり脂肪がつき、その辺から不調が始まっていることはあります。これを『どうしようもない』と言って放置しても何も改善されません。結局、動きの悪い場所、血行が悪い場所に脂肪はつきやすくなりますし、女性は何もしなくても骨盤、下腹部周りにお肉がつきやすい性質があります。これを改善するためにどこからアプローチしていくか?ということになります。
まず、立って自分の手の平で両サイドから骨盤を支え、全力で内側にホールドしてみましょう。あたりまえ体操、みたいなポーズです。
これでフッ…と楽になる感じがあったら骨盤が広がっている証拠です。続いて、横からホールドしたら、同時に内腿、腹筋にも力を入れます。骨盤をその位置で固定するイメージで。そしてその状態をキープしたまま、そっと両手を離します。そして、骨盤が広がっていることで腰痛なり背部痛が起こっていると感じたら、これを定期的に1日何回もやってあげてください。体が辛くなってきたらやる、でもいいですよ。
疲れに注意
骨盤が歪むきっかけとして、正しい姿勢をキープできなかった、できなくなった、というのもあります。調子の良い時はどんなに崩れた姿勢をとっても元に戻せるのですが、疲労が溜まっている時などは姿勢を支える筋肉もしんどくなっているのでどうしても骨に寄りかかる形をとってしまいます。人間は昆虫と違って内骨格です。昆虫は外側に骨がある外骨格。この違いですが、人間はもともと止まっている姿勢が苦手なのです。ピタッと静止した体勢が得意なのは外側に骨組みがある昆虫。人間のように骨が筋肉で支えられている仕組みになっていると、止まっている姿勢はキツいのです。
骨盤は骨が靭帯で連結されている器であり、首や股関節、肩関節のように広い関節可動域を持っているわけではありません。でも、骨盤の中には大切な内臓が詰まっていてそれを支える重要な役割を持っています。骨盤は常に負荷と戦っている、という考えるといいですね。重い物を常に支えているわけですから、筋肉でフォローしなければならないし、筋力があると骨盤の負担が小さくて済みます。
骨盤をどうにかしたい衝動に駆られた時は、体重を減らし、足腰を使う、正しい姿勢をキープして、疲れてきたら先程ご紹介した骨盤をホールドする手当てをやってみてください。
おそらくどこぞの骨盤矯正をするより整うと思いますし、結果が出やすいと思います。基本、骨盤矯正は痛い時にやるものではないし、逆に腰痛もないのにやる必要もないかと思います。難しい筋トレをせずとも、自転車、バイク、車に乗る生活が多いのであれば、歩くことを増やす。電車の中では立つ、などで日常的に下半身の筋肉使うのも効果的です。
矯正しなくてもできる!骨盤を強くする方法を今日はお伝えしてみました。
それではまた(^-^)/
骨盤矯正に力を入れている治療院での経験、さまざまな勉強会に出席し学んだ結果、この結論が出ました。ほぼ下半身の筋力強化で解決しますよ!