意外と少ない『普通のマッサージ』

職業柄、マッサージを受けたい時に『こういうマッサージでここをやって欲しい』という思いが明確です。遠隔治療や歪みの調整もわかるのですが、私の希望するところにしっかりと圧を加えて欲しいのです。しかしサロンにしろ治療院にしろ、その店のカラーや方針があるのでそれを基準に私を治してくれている。私が(そこではない…!)と思いながら悶々と受けていようとも、歪みにフォーカスを当てた施術者は今、私の歪みを懸命に治してくださっているのだ…!ということです。

ボディケアの領域では病気を扱っているわけではないので正しい方法があるわけではありません。歪みで治れば歪みが原因で、揉みほぐしで治ればコリが原因だったという事なのです。良くならなかった場合はお門違いの部分を施術していたか、圧が足りないか、このくらいです。病気や怪我なら治療法はほぼみんな同じですが。

私は足が弱点なので、負のループにハマった時は助けを求めに中国足壺へ行きます。ここの施術は強烈で、一番最短の40分が限界です。片足20分が終わった時に(次は右足か(泣)もう帰りたいよ…)と泣きが入ります。でも終わった後、翌日からしっかり辛さが取れているので上手なのです。ここのお店も経営は厳しいようで、しょっちゅう『お体が心配です』というメールをいただくのですが💦気持ちはわかるけども、日頃の健康維持や体調管理ごときにあの強烈な痛みには耐えられない。そのため最悪の事態の時以外行きたいとは思わないのです。その思いが伝わらないのが実にもどかしいのですが。

限界まで行かずとも、何だか疲れが酷い時にマッサージには行きたいのですが、ちょうどいい普通のマッサージをやっているところがないのです。『90分くらいで全身をくまなくやってくれて予算内の近場』、これが意外とないのです(泣)

90分全身とあってもうつ伏せが思いのほか長く、もしかしてこれで終わるのか?と不安になったり、ヘッドマッサージの頃にはセラピストさんが力尽きているのかまさかのフェザータッチで意識が中途覚醒するという。どうか最初から最後まで普通にお願いします…そう思っていても何かが違うまま終わります。60分全身で頭を捨てたこともありましたが、この60分全身、最初のカウンセリングで『背中が辛くて…』と言ったら60分背中のみで終わったことがあり悲しくなりました。

最近のサロンはこういう感じが多い気がします。どこかハショッてしまう。お腹や顔はいいとしても、上向きで足をやらないなんて、ちょっとバランス悪くないですか?💦と思ってしまいます。おそらくセラピストさんの体力温存なのだと思うんですよね。もともとコースが長いので省けたら体がラクですからね。でも、オイルは特に全身満遍なくやってナンボのところがあります。指圧は部分に良く効きますが。

そういう事で、しろたえのメニューも決めました。

もしかしたらコースのラインナップが少なすぎるかな?と思いましたが、20~30分のショートコースだとやはり頻繁に来てくださらないと結果が出せません。せっかくだから60分くらいお時間下さい、とこういう気持ちです。オイルマッサージでは正式だと片足20分くらいかけます。四指、母指、軽擦法などをちゃんと組み合わせるとこのくらいかかるのですが、実際の現場では不向き。また、あまりにうつ伏せ、上向きの体勢が長くても体に良くないです。私はそういう経験から『このくらいで働くみなさまに充分満足していただけるかな?』というラインを狙っています。

また、お店のテーマである『働く現場の人々』ですが、働いていない人にはやりたくない、というわけではありません。ただ、プラスαのおもてなしを期待されている場合、その期待には応えられないかもなぁ、という感じです。

サロンでの勤務経験から、サロンには癒しとおもてなしを目的に来られている方も多いと知りました。体がそんなに辛いわけではなく、ここに来ることが習慣になっている、担当者とのお喋りを楽しみに来られている方もいます。あってはならないですが、病院の待合室も友達とお喋りを楽しみに来ているお年寄りが多いと言いますし、本来の目的以外の方もいるのは事実なのです。

個人サロンのリラクゼーションマッサージの特徴は、ロングコース、おもてなし、オプションがあることです。特別感が味わえて、充実した時間を楽しめる自分へのご褒美的な空間です。私はそれも良いと思っています。良いのですが、それだけだと500万もかけて鍼灸マッサージの学校に行った意味とか、その後治療院で修業した経験が水の泡になってしまうのです。

オプションというのは機械やパック、マッサージ中に足せる施術を言いますが、エステは特にこれが多く、私はやってみて『これではマッサージが下手くそになってしまう』と感じました。全ての基準はこれですね。機械やスピリチュアル、接客に重きを置くとマッサージが下手になる。これだけは避けたいと思っていて、私のそういう思いからも『働く現場の人々』のニーズが必要なのです。

ですから、パンチは弱くとも『ごく普通のマッサージ』をしているお店でいたいと思います。ごく普通が意外と少ないにも関わらず、目立たないので埋もれてしまうのですが、お店の内装や暖房器具、アフターティーなどはサロンでの経験や美術高校卒業の経験を生かせていると思います👍

鍼灸マッサージ師をはじめ、本来セラピストの仕事は地味なのです。いつからかエンターテイメント性の高い花形職業のようになりましたが、それは上辺だけで実際の現場は未だに地味なもの。毎年6000人もの鍼灸マッサージ師が専門学校を卒業しますが、思いの外離脱も多いのです。

そこはやはり理想と現実。

専門学校でキラキラした夢を抱えて卒業するも現実は地味すぎて話と違う。でも、もともと鍼灸マッサージ師の仕事は目の見えない方がやっていた専門職。それを健常者が半分奪ってしまっているのも事実なのです。ちなみに、マッサージの専門学校は乱立しない仕組みになっています。目の見えない方の仕事を奪いすぎないようにするためのコントロールです。

私が大切にしている『ごく普通のマッサージ』に必要なのは地味だけに『手のケア、そして体重と体力、ストローク』だと思っています。もともとの力が強くないと弱くもできないのです。そういう体作りと基本をしっかり守って、心地よく、よく効くマッサージをご提供し続けていきたいと思います。

コロナウイルスの拡大でなかなかボディケアに来にくい方もいらっしゃるかと思いますが、これを機にぜひ個人サロンのご活用をお考えになってみてはいかがでしょうか?不特定多数のスタッフ、お客様の接触が防げるのは個人サロンの強みだと思っております。

何か心配なことがありましたらご来店前にメール、LINEにてお気軽にご相談くださいね☺︎

今年もあと1か月となりました。みなさま、乾燥にはくれぐれも気をつけて、お体どうぞご自愛くださいませ♫

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鍼灸マッサージ 茅ヶ崎 個人サロン
一年の締めくくりに、基本に忠実に✨リズム感を大切に♫