砂糖は麻薬
私は自粛中、本当に仕事がゼロになり、4月はまだお小遣い程度は入っていますが5月は本気のゼロ円です。今、ちょっと落ち着いたところで様々な申請をしていますが、申請にあたり『売り上げゼロ円の証明』をしろというのです(笑)それでなくてもここ数ヶ月、自分が自分である事の証明ばかりしていました。しかし、遂に無いものの証明までしなければいけない時がきた…と思ったものです。
ゼロ円というと驚く人が多いのですが、もう忘れてしまったのですか?と思ってしまいます。『外に出るな!近づくな!』と言っていたではありませんか。私に5月の売り上げがあったら休業要請に応じなかった事になりますよ。
さて、自粛中私は退化しそうになりました。きっと深海魚のように目が小さくなって、色々体の機能も端折られ、退化という名の進化を遂げるのだ、と思っていました。
自粛の前半は運動不足でひたすら体重増加していましたが、5月に入りいよいよ全国一斉緊急事態になった時、私の大好きなカフェ、喫茶店が軒並み休業となりました。
私は喫茶店に行かない限り、自分で甘い物を買って食べようとしません。お店でコーヒーとクッキーやケーキを食べるのが好きなのです。
その経路が1ヶ月完全に絶たれました。私にとっては空前絶後の緊急事態です。ここまでしなければ食べ続けるのか、とちょっと自分で呆れましたが、おかげで結果『砂糖断ち』に成功したのです。
砂糖の恐ろしさは甘党の私はよく知っています。
具体的に何が恐ろしいかあげてみましょう。まず、胃を壊します。砂糖って水に溶けるとベタベタしますよね。ベタベタになると物がくっつきます。胃の中にいる時もこうやって溶けてベタベタになり、胃壁を守るバリアを剥がしてしまうのです。洋菓子と和菓子で言ったら、油分が少ない分ヘルシーなのは和菓子ですが、代わりに砂糖が大量に含まれています。この砂糖のベタベタ作用により、胃痛持ちは甘党率が高くなるのです。
次に、砂糖は煮詰めていくとカラメルができますがこのように体を焦がす作用があると言われています。ただ、体内に直火並の火力はないですからあくまでもイメージ。
一番怖いのは血糖値です。
糖分が使われるのは脳です。脳だけが糖分を栄養源にしています。疲れた時に甘い物を食べるとリラックスするのは脳に栄養が補給されるから。
ただ、脳がリラックスしても実際体は疲れている上に何の栄養源にもならないので、効果は一時的なものです。そして糖分を取ると一気に上がるのが血糖値です。
『低GI』と呼ばれる食品は血糖値の上昇を穏やかにしますが、何故急上昇してはいけないのかというと、急上昇するという事は急降下もするからです。
この急降下の時に、麻薬が切れたかのような禁断症状が現れてまた糖分を欲するのです。そうするといつまで経っても血糖値は高値をキープします。それが続くと分解するインスリンの働きが弱くなり、枯渇すれば最悪糖尿病になるのです。
急上昇は『血糖値スパイク』といい、これを抑える事で甘い物への渇望を断つことができる、と私は考えています。だから、いっとき食品を低GIに変えても、低GIによる恩恵が血糖値スパイクの多幸感を超えない以上、結局甘い物に手が伸びてしまいます。低GIの盲点は効いているのかいないのか、まるで実感できないところにあります。
私の独自研究によると、このループから抜け出すには一回完全なるお菓子断ち、つまり徹底した『我慢の時』が必要なのです。
徹底した我慢の時を過ごすために、まずこの体の重さ、妙な眠気、何だか知らないが気分が上がらない事など全てを砂糖の責任にします。こんな思いは二度とごめんだ、と心に刻み一週間お菓子を辞めてみます。
若干未練のある週間になるので、見れば一個ぐらい…と思ってしまうのですがそこで(この一個が私の体を蝕んでいくのだ…)と過剰に念じます。
一週間くらいすると、ちょっと渇望が収まる事に気づきます。そうしたら次の一週間はちゃんとした食事を意識して、そこには我慢などせず食べたい物を食べれるだけ食べます。
栄養があるので、これだけで体調がよくなってきます。この辺から特にお菓子を見ても食べたいと思わなくなります。そしてよく観察すると、肌が綺麗になっている事に気づきます。糖分は分解する時ビタミンを持っていってしまうので肌に影響が出ます。
体にはホメオスタシスといって、例えどこかが一時的に狂ったところで恒常性を保とうとする働きがあります。
血糖値が一回急上昇したくらいでは死なないのは、体が平常心を保つために頑張って他でバランスを取っているからなのです。ただ、それも繰り返しやっていればやがて破綻する、それが糖尿病なのです。
甘党の自覚があり、胃が痛く、食後に急激に眠くなったり、常時体が重たくダルい、私のような人は今すぐ甘い物断ちをオススメします。私はコロナによって、カフェと喫茶店通いを絶たれたおかげで成功しました。皮肉な事です。人類の敵、新型コロナウイルスに食生活を正されるとは。
私の甘党ですが、つけ加えると精神的ストレスが多かった事もあります。エステという職業は気遣いがハンパではない。私は気遣いやおもてなしが好きではありますが、楽ではないのです。それを三温糖きな粉ねじりなどが癒してくれていたのです。
甘い物に罪はありません。砂糖は麻薬ですが、その落とし穴に落ちずに楽しみ、上手に幸福感を味わっている人もたくさんいます。悪いのはコントロール不能になった自分。三温糖きな粉ねじりやアルフォートを責めてはならないのです。
コロナ後の世界はリスペクトが必須。排除せず共に生きるためには、お菓子達にも敬意を。久しぶりに格闘技の練習に行ったら、2ヶ月深海魚だった割に20歳の消防士さんから一本とることができました。これはきっと今、コロナに正された食生活のおかげだと感謝しています。こうでもしないと断てない自分に呆れつつ、まだ返済できていないお腹と肩周りの脂肪撤去に勤しもうかと思っています。
それではまた♫