首の痛みの原因

首の痛みの原因

現代人はスマホやパソコンの影響で首が前に出ています。作業の特性で仕方のないことですが、気をつけないとソレ仕様の首に変化を遂げ、スマホ、パソコン操作以外の時に不都合になってしまいます。しかし、首はどんなに硬くても揉み解し厳禁。小さな筋肉の集合体かつ、広い可動域を持っている精密な造りをしており揉み解すことでバランスを崩しやすい部位なので、常日頃の姿勢の改善が重要なのです。

首は広い可動域に加え、頭を支える土台となっているため、強さと柔軟性の両方が必要となります。首〜肩〜背中〜肩甲骨は連動していますから、その辺が具合悪いという方はまずご自身の首がどのタイプか分析してみるといいかと思います。どれだかわかったら原因となる動作や身につけている物をどんどん排除していきましょう☝️ちなみに、首の筋トレは難しく、下手をすればかえって痛めることになります。結果的に姿勢を直していくのが一番の近道ということになります。(マッサージは背中〜肩甲骨〜肩を上手にやれば首の負担が軽くなります。首自体に施術をしないところがポイント)

それではまず理想的な首の形から見ていきましょう。

これが一番負担の少ないポジションになります。頭の重さは首だけでは通常耐えきれないので、胸椎が負担してくれています。胸椎の可動域、柔軟性が乏しいことで重さに耐えきれないこともありますが、まずは首がこの位置にあればトータルの機能としては体の負担は最小限で済みます。

この姿勢はコツがあります。

胸を張るのではなく、耳を後ろに下げてください。


おそらくそれだけで首がピキッとかミシッと鳴るかと思いますが、それだけズレていたということです。顎は動かさずに耳を後ろにグーッと引く感じ。首が痛い方は1日に何度でもこれをやってみてください。

次に、有名なストレートネックです。ストレートネックというのは、ただ真っ直ぐというわけではなく、頚椎の7番から上がクレーン車のように前に倒れている状態の首を言います。図は極端な例ですが、特徴として顎が上に上がります。首だけが前に出ているために頭の位置は置いてきぼりという感じ。この状態が実は一番まだ改善しやすくもあり、悪化する境目であり、一番首の痛みに悩まされます。ストレートネックという状況だけでは首に痛みは出ません。これに何らかの負荷がかかった時が要注意です。ポイントとしては先程の耳の位置の調節と、背中〜肩甲骨の間のトリガーポイントの処置です。この辺りの柔軟性を上げておけばだいぶ楽になります。楽にはなれども頚椎前弯が戻ってくるわけではないので、姿勢は常に注意が必要です。

次は、どちらかというと頭が下を向いている首猫背さん。仕事などで下を向く動作が多いとこうなります。特徴としては首のシワ。顎を引いているため若い人でも常に首にシワが寄ってしまいます。この首もまずは耳の位置を直していく。それから少し顎を上げるようにすれば頭の位置は正しくなります。このタイプは頚椎が後弯してる場合もあるので、うつ伏せで上から押されたり、反り返る動作は痛みが悪化する恐れがあります。改善の兆候として、首のシワがなくなったり、首が長く見えてきたら成功です。調子が悪い時は首の付け根に鍼がよく効きます。下を向いているということは頭を持ち上げるための筋肉は常に伸ばされているということ。ストレッチされている筋肉は力が入りずらいですから、疲れている時などに突然首を動かしたり朝方の一発目で首をやってしまうことが多いです。筋肉の痛みに対しては鍼はとてもよく効きます。

最後に全ての成れの果て。完全体です。脊柱管狭窄症がヘルニアやすべり症の成れの果て、といったように、ストレートネック、首猫背、巻き肩、などなど全てが揃い踏みでかつ経過が長くなった時に、骨ごと固まる+筋肉の硬さで支えられるようになります。

こうなってくると大して首は痛くありません。何故なら、重みに耐えうる筋肉と骨があるわけですから意外と悩みは少ないのです。ただし、首ではなく肩にクルという特徴があります。ここまで顔が前に出ている場合、肩は巻き肩、胸椎の柔軟性もありませんからまずバンザイすることは難しいです。巻き肩=肩関節内旋となりますから、内旋のポジションでは挙上できない仕組みになっているのです。頑張れば上がるのですが、肩関節の構造上ぶつかる仕組みになっているので結果として痛めることになります。スムーズにバンザイする時は、肩関節は途中から外旋(手のひらを上に向ける動き)が必要になります。それにより、肩関節にある滑液胞が避けてくれる仕組み。無理矢理上げる時はこの滑液胞を圧迫しつつ行うため消耗が激しくなります。

首の痛みはさほど強くなくても、運動するには危険なくらい柔軟性に乏しいフォルムですから、くれぐれもここまでいかないよう胸椎〜背中の柔軟性、首〜頭ポジションを意識して一番負担のかからない姿勢を心がけましょう☺︎

全てにおいて諸悪の根源はストレートネックということになりますが、最初に言った通りストレートネック自体は疾患ではありません。これだけで常に首が痛くなるわけではないので、治療院やら整体やらに頼らずとも冷静に分析することで充分改善できます。

ストレートネックを矯正する手技もありませんし、首はもともとあまりいじくるべき部位ではありません。優しく丁寧に扱ってあげましょう。

経過がどうしても長くなる(サクッと治らない)のも首の痛みの特徴です。ぜひ一度ご自身のアライメントを確認し、日頃姿勢の見直しを始めていきましょう🙌

それではまた!

首のように小さな筋肉を治療する時は鍼がオススメ。ピンポイントで狙えるため指圧よりも効果的です。