続・ 筋膜リリースの話
以前、筋膜リリースという手技が何なのか?私はマッサージ師なのに知らないという話をしましたが、偶然読んでいた本にわかりやすく書いてありました。
私が知っているスキンロールという手技とは別で、正式な筋膜リリースというものは熟練の技と経験が必要だとわかりました。どういうことをするのかというと『筋膜に触れられるくらいの圧をかけ筋繊維の走行に合わせて筋膜にストレッチをかける』というもの。筋膜にアプローチするということは触診の正確さが求められます。ちょっとでも強ければ筋膜を通り越して筋肉へアプローチしてしまいますからとても繊細な手技と言えます。
筋膜とは、皮膚にそっと触れて皮膚だけを動かした時にその下に感じられる面。鍼を筋膜で止めて擦るとガリガリ!という感触と共に、受け手はツボを押されているような響きを感じ取ることができます。皮膚の下の脂肪を通過して、筋肉に刺さる手前で止めなければならないという、非常に難しい手技です。
これを実際に行うならまず服の上からは無理だと思いますし、実際の現場で生かすには時間がかかりすぎて現実的ではない、と私は思います。また、筋肉が小さすぎても難しいかと思います(顔の筋肉など)。ですからおそらく巷で連呼されている筋膜リリースはただのストレッチに等しいかと思います。
リンパマッサージも、正確には『リンパドレナージュ』と言ってものすごく弱い、圧力をかけないで行うオイルマッサージです。これはリンパが表層を走っているからで、ちょっとでも圧が強いと筋肉へのアプローチになってしまうからなのです。こちらも巷のリンパマッサージはただの筋肉へのトリートメントだとわかりますね。
マッサージ師としては『好き勝手に軽々しく名前を使わないで欲しい』という思い。
リンパにアプローチしていないのに言っていいのか?と思いますし、筋膜にアプローチしていないのに、さも特別な手技をしている風にするのはどうなんだろう、と思います。
やってる感、というのが大切なのか、その方がありがたみが増すし双方にお得ということなのかわかりませんが、結局どっちにしろ筋肉そのものにしかアプローチしていないということです。だったらトリガーポイントを勉強したらいいと思うのですが、これがあまりウケないみたいですね。私は好きなのですが。
マッサージの手技はたくさんあります。タイ古式、スウェディッシュ、など世界のマッサージとは別で、リンパや筋膜を狙った方法があってそれには熟練した技と経験が必要になります。また、それに適応している患者さん、お客様を鑑別しなければなりません。
夢も希望もなくなってしまいますが、結局あらかたのマッサージは筋肉へアプローチしているのです。後は血流が良くなれば自ずとリンパの流れも良くなってスッキリ✨というところでしょうか。
何をやっているのか?どんな効果があるのか?言葉でごまかさない、体の不調をちゃんと見てくれる、わかってくれる、改善してくれるセラピストに出会えたらいいですね。マッサージの世界は奥が深いです。私も日々勉強の毎日です☺︎それではまた!