トリガーポイント治療とは？

しろたえのメニューにも『トリガーポイント指圧』という言葉がありますが、お客さんにとっては『それ自体、一体何なのか？』と思うところですよね。自分のやっていることをそのまま伝えるのが難しく永遠のテーマとなっておりますが、私が考えた療法ではなく割と歴史があるんです。なのでそのまま使わないとおこがましくて。

指圧というのは両母指でゆっくり圧をかけてゆっくり抜いていくやり方。揺りながら一点で圧をかけていくのはあん摩、手のひらで捏ねるのは手根揉捏、といったように手技の一つ一つに名前がついています。

それらを使って一線、二線、三線と筋肉の内〜中〜外にわけて押していくわけですが、これだと狙いを定めておらず、実際の現場では時間がかかりすぎます。オイルマッサージも国家資格の中の『マッサージ』に入っておりますが、学校で習った通りにやると片足だけで20分以上かかります。

実際にはそれほどの時間をかけられませんし、受ける方も体勢が辛くなってきます。

そのため私は狙いを定めて効率的に痛みを取る方法として『トリガーポイント治療』を使うことにしました。卒業後、経験を積んで少し経ってから知った治療法です。

トリガーポイント治療とは何かといえば『痛みの引き金になる筋肉の硬結を治療する』というやり方です。

トリガー＝引き金の意味ですので、実際に腰が痛い場合のトリガーポイントはココとココ、といったようにツボ(経穴)のように決まっています。だからそれを覚えればセルフケアもできます。知っていても上手く押せるかどうかが鍼灸マッサージ師との違いです。

首が痛い時のトリガーポイントは肩甲間部(肩甲骨の間)にたくさんあります。

実際に痛いのは首の本体だとしても首は押しません。そもそも指圧やマッサージで首は押さないのです。首をどうにかする手技はないので習ってもいません。

私の施術では頭との境目(分界溝線)や肩甲間部を押して、首本体は上向きで四指で持ち上げているだけ。首の筋肉は小さく、多く、頭の重みに耐える必要があるため加減が難しいのです。

次に、腰痛のトリガーポイントは中臀筋。

大体中臀筋や外旋筋群に柔軟性がなくなって腰痛に繋がるのでトリガーポイントも見事にここにあります。腰痛なのにお尻をほぐす理由はこれです。人間の体は全て繋がっているから〜という理由ではなく、ここにトリガーポイントがあるから押しているのです。

ここから先は経験によるものですけど、トリガーポイントを何も考えずに処置するだけでは実は全快しないのですよ。面白いことに。

体ってその人の歴史が詰まっているし、性格も合わせた集大成というか一つの作品です。

痩せている人には痩せている事情があり、太っている人には太っている事情がある。

性差はさらに違いを生みます。女性はホルモンの影響で脂肪がつく場所が変わったりします。上半身ガリガリで腰から下が私よりも大きく(私は全体も大きいですが)浮腫んでいる方が時々いますが、部分的に脂肪が付くというのがホルモンの仕業である可能性が高いのです。

病気の中にも『中心性肥満』という症状を引き起こすものがあり、胴体と顔にだけやたらと脂肪がつき手足が細いというホルモンの疾患があるのです。

そうしますと一律でトリガーポイントばかり狙っていても治らないパターンが出てきますよね。

トリガーポイント治療の中には『関連痛』という考え方があります。痛い場所が首、トリガーポイントが肩甲間部、関係ないけどココも痛むんだぜぇという迷惑な話が関連痛です。

関係ないけど痛む場所は、そこをいくら処置してもトリガーポイントがなくならない限り痛むぜぇということです。酷い話でしょう？

私の経験では、トリガーポイントを処置して早速『うん！だいぶ調子いいです♫』とアゲ調子になってくれる方はそもそも体力や筋力や気力がある人です。そして性格的に単純。

何年もトリガーポイントがあり続けて、関連痛は放置、どこへ行っても良くならなず、体力も気力も限界の方はもうちょい時間がかかります。それが人それぞれの歴史。同じ腰痛でも歴史が違うのでトリガーポイントを処置しても治りが違うんですよね。

治すタイミングを逃した、とか時間がなかった、我慢強さにも関係しますよね。

基本的にトリガーポイントをダイレクト指圧するのが私のやり方ですが、そこにその方の背景を考慮して全快を目指しています。カウンセリングがほぼ事情聴取なのはそのためです。

執念の追求によって明らかになる犯人。

トリガーポイントが何故形成されるのか？その原因は何なのか？そこが治療の一番の核だと思っています☺︎

よく『こういう治療はどこへ行けば受けられるのですか？』と聞かれますが、トリガーポイントを押しているマッサージ師がいればやっていると思う、としか言いようがないんですね。

そもそも鍼灸マッサージって素朴で地味な仕事ですから、何か特別な技を身につけたくなるんです。その結果、面白くなさそうなトリガーポイントとかプイッて感じで見向きもされないのだと思います。

他にも、良さげな地味過ぎる手技をしろたえではメニュー内にたくさん行っています。シンプルな施術をご希望の方にはとてもオススメですので、痛みでお困りの方は我慢せずに一度お越しくださいませ。