健康な精神には心の栄養が必要
東洋医学の臓器とは?
東洋医学の五臓、肝・心・脾・肺・腎というのは「人体の中にある臓器」を指しているわけではありません。例えば、腎臓だったら泌尿器になるので血液を濾して要らないものを尿として出す働きがありますが、東洋医学の腎はそのような働きはしていません。
東洋医学では根本的に「気」というものがある前提での話。
この「気」を貯めているのが腎であり、命の源とされています。人体の中の脾臓は古くなった赤血球を壊したり新しい血液を溜めたり抗体を作ったりしますが、最悪無くても平気とされています。しかし、東洋医学では脾と胃(脾胃と呼びます)が食べ物を取り入れて気を作る役割を担っているため、命の源を補う大変重要な役割です。
こういう違いがあるのですが、現実としてだいぶ考え方が違えども言い得て妙な所があり侮れないのが陰陽五行、中国四千年の歴史です。
心臓が感情を司る!
とても興味深いのは「心」の機能。
実際の働きでは感情は脳が担当していますが、東洋医学では「心」が人間の感情を司っています。
では、脳は何をしているか?といえば「司令塔」です。健康なココロで蓄えた栄養たっぷりの「血」を脳が使って正しい判断をする、ということ。気・血・水といって、東洋医学でも血は流れており、爪や髪へ潤いを与えたり、体中に栄養を運ぶ役割があります。
つまり、ココロが不健康な状態では正常な判断はできなくなります。
私達も日常的に「心臓に悪い」とか「緊張してドキドキする」と言いますし、実際なりますよね?これが言い得て妙だと思うのです。よく考えたら緊張すると感じるのは脳であり、意識を司るのは本来は脳の仕事、でも私達は「心」と言います。
つまり心の栄養になることをしてあげれば、自然と満たされて多くの素晴らしいアイデアが浮かぶのです。良い映画を観たり本を読む、友達と楽しい時間を過ごすでもいいです。心が満たされる時間は心にとって必要なのです☺︎
栄養過多もまた毒になる
ここで一つ注意があります。
「五情」という5つの感情を表す五行があって、怒・喜・思・憂・驚。「喜」の感情と同じ位置にある五臓を当てはめると「心」があり、心と喜は表裏の関係にあるとされています。
そのため、心を養うために喜びの感情は必要なのですが、多すぎた場合もまた心の機能を傷つけてしまいます。
喜びが足りなければ精神が荒れて正常な判断ができなくなると同時に、多すぎてしまうとお花畑、パッパラパーみたいな状態になってしまい、それはそれで冷静な判断ができなくなるのです。
多すぎてもいけないし足りなくてもいけない、つまりはバランスが大切ということ。日常生活にぜひ取り入れてみてくださいね!