風邪や呼吸器トラブルの鍼灸治療

今期、猛威を奮っているインフルエンザ。個人の予防がなってないというよりも空気の乾燥が原因だと思う。

私も重い風邪に罹りまして、20日以上経っても咳や鼻水が残っています。

風邪というのは東洋医学では体を壊す『外因』として扱われており、風邪=ふうじゃと呼びます。風の邪気ということですね。なので、湿気が増す時期は湿邪=しつじゃが悪さをします。とてもわかりやすいですね。

鍼灸マッサージで予防するには?

単純にいうと、頚椎の7番の下に大椎穴というツボがあって、ここから風邪は入ると言われています。ここにお灸をして養生するというのがスタンダードな予防法。

ただ、これをやったらインフルエンザを撃退できるかといえばそんな感じはしません。

最近のウイルスは進化していますし、何なら昔より悪質になっています。軽い風邪は今そんなになくて、何もないか病んでいるかの二極化になっていると私は思います。

ですから、できることといえば日々ストレスのケアをして免疫力を下げないことですかね。

食生活を改善すれば内臓の負担を減らすこともできるし、その分体は免疫系に力を注げます。

鍼灸マッサージで風邪を予防するのは難しいですが、変な疲れ、背中や腰の痛みが風邪引きのサインだったりしますから体調の変化は気にしておいた方がいいですね。

鍼灸マッサージは風邪の引き始めと病み上がりに

未病に強い鍼灸マッサージですが、使いどころでいえば風邪の引き始めとか病み上がりの時かな。

引き始めは漢方(葛根湯)やツボを効果的に使った温めが有効ですし、病み上がりの時の滋養強壮、咳や切れない痰へのアプローチにツボを使ったりと、色々できます。

薬を使わないでどうにかしたい時のファーストチョイスとして活用するのがオススメです。

オススメは膻中、天突のツボ

風邪の不快症状の緩和としてオススメなのが、膻中(だんちゅう)と天突(てんとつ)というツボです。

膻中は胸骨の中央、天突は左右の鎖骨の間の窪みにあります。

喉と肺の近くにありますが経絡でいうと肺系ではなく任脈と心包経です。でも、日常でツボを活用するなら手足にある遠隔の難しいツボを使うより、辛い場所の近くにある反応点として使うとわかりやすいです。

もともと、手足のツボは『昔、中国の鍼灸師が要人に治療をする際、体幹に施術するのは大切な臓器が近くにあるため危険なので安全な手足のツボを使って治療した』という言い伝えがあります。

肺系のツボだから風邪に効く、というわけではなくそういう理由があって遠隔治療が行われていたわけです。

喘息や呼吸器系のケアに円皮鍼

最近、大人になってから喘息になる方が多いようですが、日常的に呼吸器に不調がある方も膻中と天突のツボを使ってあげると良いです☺︎

しろたえにお越しの際は円皮鍼の一択です。意外にも円皮鍼って良く効くんですよ。

膻中や天突といったちょっと狭い場所、鍼を打ちにくい場所、骨や関節の上は特に良く効きます。大臀筋とかふくらはぎのように大きくてエリアが広い場所にはいまいちですけどね。

セルフケアするなら、このどちらかのツボにタイガーバームを塗ったり、指で圧痛がなくなるまで押してください。お灸はおそらく煙で鼻粘膜を刺激して大変なことになるのでやめた方がいいです。

どちらのツボも、押して気持ちがいい方、押したい方、疼く方、と感覚を優先してくださいね。何もないのに押したって何も起こりません。

茅ヶ崎は海が近く湿気があり風通しの良い土地柄なのに、この冬は干した洗濯物が半日で乾いてしまうくらい乾燥しています。それでも内陸よりはマシかもしれません。

これだけ乾燥していると、ウイルスが空気中で長く生き残ってしまうらしいです。咳の症状が長引くのも空気がずっと乾燥しているから治りが遅いんですよね、きっと。恵の雨が待ち遠しくてなりません。みなさまもお体どうぞご自愛ください。