不眠と鍼灸マッサージ
心不全を患っている母(71歳)が最近不眠を患っています。何故だか夜になると連続して眠れず、1時頃起きてしばらく眠れず読書などする→3時頃少し眠くなってベッドに戻る→5時頃もう一度目覚めてラジオで気を紛らす→7時頃やっと熟睡、というサイクルを繰り返しているのだそうです。
日中は疲れる度にイビキをかいて気持ち良さそうに寝落ちしていますが、これが原因で夜眠れないのではないと思う。
どころか、心臓病なのだから体を休めるために眠った方がいいのに眠れない。脳も体もこれでは疲れが取れないだろうな…と気の毒でなりません。
母の不眠は心臓病が直接の原因と思われます。栄養が行き渡っていないので妙に覚醒してしまうのと、自律神経の調節が上手くいかない、体温や血圧が眠りに合っていない、など色々挙げられます。
健康なのに夜眠れない
しかし、健康でも不眠症を患っている方がおられます。
健康でも病気でも、不眠の具合?感想?は同じようで『疲れとか関係なく夜眠れない』と言います。これはなかなか辛いですね。
鍼灸マッサージで不眠にアプローチする時どうするか?一応、不眠のツボなるものはありまして、足裏の踵のど真ん中にある『失眠穴』が相当します。使い方は、ここに強めのお灸を何壮か据えます。強め、というのは燃やし切るということ。踵は角質が厚いので燃やし切って焦げるくらいでもあまり感じなかったりします。その辺は加減してみてください。
ですが、実際失眠にお灸したら眠れるようになるのか?といえば、あまり効果のほどはないらしいです。そういうツボも結構ある。
私は鍼灸師でもありますがお灸や鍼をツボにして不眠を改善するのではなく『施術中に眠れるようになること』から始めています。
深い眠りを思い出させる
夜になると眠れないわけだから、施術中眠れたとて解決にはならない気がしますが、マッサージ中の眠りは少し質が違うのです。
入眠困難や中途覚醒が起こる原因は浅い眠りや脳の興奮状態にあると考えていて、マッサージ中は割と深い眠りに相当します。施術時間は長くても2時間。熟睡するには短い時間ですが、マッサージで眠ると起きた時メチャクチャすっきりしているんですよね。
脳の興奮を抑える訓練、深い眠りを体験することによる学習、これで体に『睡眠』を思い出してもらう作戦です。言うならば『行動療法』というやつです。
また、不眠は性格の影響も大きいと思います。
繊細だったり神経質な要素があるとリラックスしにくいですからおのずと眠りにくくなる。しかも、母親を経験している方は本能で眠りが浅くなりがちです。心配することが多いので、小さな音で目覚めるように体ができてしまっている。これは動物も同じです。
女性はさらに更年期でホルモンのバランスが崩れるので不定愁訴も盛りだくさんです。
よって、不眠を根本的原因から解決するというのは非常に難しいです。不眠こそ、あらゆる角度からのアプローチが必要。体の冷えを取ったり、食べ物の調節、寝具の環境を整えたり、頭の使いすぎ、運動不足にもメスを入れる必要があります。
原因がわかれば早いけど…
ちなみに私は体力を使い切りさえすれば眠れる、ということがわかりました。20代の頃、一時期眠れずドリエルを飲んでたことがありますが、色々考えたところ『体力が余り過ぎている』と気づいたのです。
それからは、とにかく自分を疲れさせるようにしました。
こんなに単純だったらすぐ解決しますけど、不眠は奥が深いです。お悩みを抱えている方はご相談ください。カウンセリングという名のディベートをしていくうちに原因がわかるようになるかもしれません。一番難しいのは性格によるものかなぁ〜。