背中が痛い人の治療法と分析
どこまでが腰?
『背中』と呼ばれる部位は肩部、肩甲間部、腰部と境目のハッキリしない部分の集合体です。どこまでを肩といい、どこからが腰なのか?わかりにくい。
脊柱起立筋を背中と呼んでいることもあると思うし、僧帽筋のことを呼んでいるかもしれない。そうすると『背中が痛い』と言われても肩や腰は別物かもしれない。もしくは『人間の体は全て繋がっている』と煙にまく方法もありなのか?
私は大まかに背中を2分割しています。
第7胸椎、肩甲骨の下角と同じ高さにある背骨と背骨の間に『至陽』というツボがあります。ここは『これより上は陽が高まるエリア』というランドマークになっており、東洋医学的に背中を意味します。
陰から陽への移り変わりポイントなのですが、私はここを境に肩周りと腰を分けています。図で見ると結構上の方にありますが、人の体を実際に見ると至陽穴は意外と下の方にあるんです。図で見るほど人の背中って広々してないんですよね。
肩や首、頭の重さを支え、腕を2本ぶら下げているのが至陽穴より上の背中。至陽より上の背中や可動域の影響を受け、さらに足を2本ぶら下げているのが至陽穴より下の背中(腰)という分類です。これだけでも腰がいかに負担のかかる部位だということがわかりますね。
ちなみに私はここで骨盤は出しません。
骨盤は臓器を納める器と考えているので、部位的に腰でも足でもないし一番負担になることは体重じゃないかな。
背中は重さに耐えている
『背中が痛い』という患者さんへの問診では、単純にあーここが原因だねと決めつけるのではなく、どのエリアのどこにどう負担がかかっておかしいのか?考えるようにしています。
至陽より上の背中は常に頭の重さ、腕2本分の重さに耐えていますからこのエリアが痛い時は筋肉への負担のかかり具合や関節のちょっとしたズレ、古傷の有無、など色々参考にします。
至陽より下の背中が痛い時は、上の重みに耐えきれなくなったこと、筋肉の柔軟性、関節のちょっとしたズレを考えます。腰と呼ばれる部分になりますが、こちらは筋肉の柔軟性と筋力に頼る部分が多いので指圧と筋トレ、ストレッチの効果が出やすいですね。
どちらにも共通して言えるのが『常に重みに耐えていること』です。
脊柱起立筋は別名『抗重力筋』といわれており、負担がかかるのは重力に逆らって二足歩行している人間の宿命だと考えられます。
重みに耐えるためには筋肉が柔らかいことと力が備わっていることが重要なのですが、これが上手くいかなくなった時に痛みが出ます。そして、痛んだ際は他の部位に比べて大きく長い筋肉が多いので存在感があるし、手も届かず動きにくくて憂鬱な気分になります。
日頃からケアするとしたら、週に一回程度、寝る前にストレッチしたり硬さのある部分をツボ押しグッズなどで押してコリを取り除いておくことです。疲れてもいないのに毎日やるのは禁物。ケアしすぎると逆に力が入りにくくなり、それはそれで痛みの原因を作ってしまいます。過保護は厳禁。
コツは、疲労が溜まったと実感した時。
よく動いた、もしくはデスクワークなど動きのない状態が長く続いた時、体に無理がたたった時にケアするといいです。
疲れが溜まるとある日突然『あれ?今日腰痛い』などの謎痛が出現し、運動不足を解消しようと焦ってジムに行き怪我をする、のが関の山。
背中は『ちょっと痛い』『ちょっと張る』と思った段階で治療に来てください。そこで持ち直すことが肝心です。拗れてしまうと、動けるけど不快な毎日を過ごすことになりますし、回復まで時間がかかります。
背中はエリアが広いのでピンポイントで痛む時はそこに鍼を打ちますが、それ以外は指圧が効果的。治りかけ、まだ軽度、もしくは突然起こったギックリ背中みたいな時はオイルマッサージが有効です。
今日は背中が痛い人のための背中のお話でした☺︎参考してみてくださいね!