安易にリンパを語り過ぎだと思う
オイルマッサージ=リンパを流す、わけではない
あん摩マッサージ指圧師の国家資格の中にはオイルマッサージの手技も入っており、専門学校の授業で学びます。
私が卒業した神奈川衛生学園はオイルマッサージとアスレチックトレーナーに力を入れている学校でした。
学校がその科目に力を入れていようとも、生徒がそれ目的で入学したわけではないし向き不向きももちろんあります。ましてや男性は卒業後現場でほとんど使うことはないから、オイルマッサージが苦手でもあん摩や指圧でカバーする形になります。
オイルマッサージは無資格のリラクゼーションサロンでもよく使われており、効果効能の説明として「リンパを流す」とうたっています。
しかし、実際にはリンパを流すマッサージは「リンパドレナージュ」といって医療系のマッサージケア。民間だったと思うけど別の資格です。
リンパドレナージュは特殊なケア
リンパは皮膚のすぐ下を流れているため、まるで力を使わずあり得ないほどそっと摩ります。ですから、巷で行われているオイルマッサージも私が通常やっているオイルマッサージも力が強すぎて実際には筋肉に作用しています。
リンパドレナージュはもはやマッサージではないんです。
私が応用するのは捻挫や骨系の怪我、打撲を治療する時です。指で表面を軽く薄く撫で摩ります。そうすると腫れが引いて治りが早くなります。こういう効果が期待できるのがリンパドレナージュ。
専門に勉強した施術者は、癌でリンパ管を切除してしまった患者さんなどの浮腫みに対して使います。
リンパの仕組みをわかってない店多すぎ
健康な方、リンパ切除してない患者さんの浮腫みはどちらかというと筋力不足や運動不足、代謝の遅れにより血管から水が染み出してしまったことが原因ですので、本当のリンパの滞りではないと言えます。
私のオイルマッサージも筋肉や疲労物質、乳酸を静脈に戻すアプローチになるので、浮腫みが取れたのは心臓や血管に向かって押し込んだからです。
普段自力で流せるけれど、回復が間に合わない方のお助け的な役割があります。
リンパ、リンパと簡単に言われてしまうのが国家資格を持つ私としてはもどかしい限り。本当は全然違うのに。
ちなみに、男性は女性に比べて筋肉量が多く水分の影響を受けにくいのでオイルマッサージの効果は薄い。夕方、足が浮腫んでる男性ってあまり見かけないですよね。男性の場合は筋肉に効かせるマッサージがベストです。オイルでアプローチする場合は滑るために圧が伝わりにくく技術と力が必要になりますね。
結論:リンパは健康な方はそう簡単に詰まりません
リンパ、リンパと連発するところは勉強不足ですし、違うから迂闊に語らないで欲しいなと思います。リンパはそもそも体の防御機能ですから、損傷した細胞や侵入した感染症などと戦ったり処理する役割を持っており、そこが詰まって夕方足が浮腫んでいるわけではありません。
リンパ節という、ウイルスや細菌と戦う関所のようなものがあるのは事実ですが、そこが詰まっているから足が太いのではありません。
老廃物をまとめて流すのは筋肉や静脈の役割です。心臓のポンプ作用は動脈に働いているので戻りは筋肉の力です。根本から浮腫みを改善したいなら、筋トレが一番です。