美容鍼と美容整形の効果
美容鍼灸は特別な技術ではない
美容に特化した『美容鍼灸』。顔に何十本も鍼を打つことでコラーゲンの生成を促し、シワやシミを消す効果、その他にもリフトアップ、若返りなど女性に魅力的な施術で人気を集めています。
実は美容鍼灸は専門学校で習う手技ではありません
鍼の資格を持っていれば腰に打とうが顔に打とうが本来は同じこと。細くて小さい鍼を速く打ったり、美容の理論で裏付けするのは卒後に自分で身につけていきます。
美容鍼灸の効果
この美容鍼灸というのは一体どれほどの効果があるのかといえば、体と同じく見立てと狙いとタイミングが合致していれば得られるものは大きいと思います。例えば、まだ少しも垂れていないピチピチの20代の無問題のお顔に施したところで変化などなく、肌が柔らかすぎていわゆるブルドックフェイスになってしまっている中年女性に施しても大した効果はありません。
芸能人が宣伝派手にするからまるで魔法のような扱いを受けますが、そもそも鍼治療はよく効いて症状が改善するか、何も起こらない、もしくは変化なしの3つのゴールしかないと私は思っています。
コラーゲン不足は加齢が原因ですが、前述したブルドックフェイスはもともと肌が柔らかすぎて垂れやすいのです。こういう体質的なものは何十本鍼を打っても変えることはできないのでコラーゲン云々ではないのです。何なら表情筋の筋トレをしてお肌はあまり触れない方が良いかと思います。物理的に触ることでますますシワや弛みの原因になってしまいますから。
ほうれい線に対してもそう。
ほうれい線は骨格にも大きく左右されます。若くてもある子はある。これもコラーゲン不足が原因ではありませんから何十本打っても変わらないと思います。強いて言えば、疲れた時に鼻の横あたりにピッと出るシワとか、疲れて老けた顔に見える時、リカバリー目的で顔に鍼を打ったらいいんじゃないかな。
表情筋のつき方は特殊で、骨ではなく皮膚についています。
そのため、表情筋が硬くなると地滑りのように肌が下がってしまう。コンディションが悪くて分離してしまうイメージです。そんな時に筋肉にアプローチするような顔鍼をやるとお肌が筋肉と共に元の位置に戻ってくれる、結果リフトアップしたように見えるというわけです。
リフトアップというより、元の位置に戻っただけですがこれは鍼でなくて指圧でもできます。
美容鍼灸は一応理論に基づいてやっていますが、若干本当にそうかどうか怪しいところが多々あります。コラーゲンが本当に生成されたのか確認する術はないですし。
美容整形との違い
そういう時に美容整形の出番です。
今では『整形』という、ちょっと後ろめたい響きを緩和するために美容医療などと呼ばれていますが、やっていることは変わりません。医療がつくと安心するみたいですね。美容整形はダイレクトに、物理的にお悩みを解決します。西洋医学と東洋医学の違いと同じですね。
凹んだとこには何かを注入するし、1本を2本にしたり、下がったものを糸で引っ張って上げてみたり。こちらの方が早くて効果テキメンです。ただ、美容鍼灸よりもリスクが高いよということ。このくらいですかね。
芸能人はおそらく美容整形をごく普通に受けている人が多いかと思います。さらに定期的に美容鍼灸を受けている人もいるみたいですが、私はこの併用は無意味かと思います。
ボトックスやヒアルロン酸って、その場で留まらせておきたいものなのですが、美容鍼灸は流す作用があるんです。だからせっかくぷっくりさせているのに老廃物除去を促すというダブルスタンダードになってしまいますよね。
美容鍼灸では効果が感じられないので美容整形に移行するのであって、何でもかんでも顔に施せば良いってものではありません。むしろ顔を触りすぎる方が後に悪影響及ぼすとすら思います。
顔のお手入れは丁寧な観察が必要
歳を取ると、足すより引く方が良いんです。美容家の佐伯チズさんもおっしゃっていました。
とはいえ、お肌にとって必要な栄養は40代以降は足した方が良いと思いますし、お手入れしている方がキレイなのは間違いないんですよね。
その方のスペックと年齢に合ったお手入れをすると上手い具合に若々しさを維持できるといいます。これは石田ゆり子さんの透明感を説明する時に用いられていました。きっと、お手入れの成功例であろうと。
参考までに私自身、シワも少なく肌も40代後半にしてはふっくらしていますが、今現在のケアはアロエのジェルを塗りたくり、無印の保湿クリーム1滴、1000円くらいのリキッドファンデーション1滴を薄ーく伸ばして終わりです。しかも、顔面の真ん中だけ。
疲れすぎて変な顔に見える時、目や顎が痛い時は顔に鍼を打ちますが定期的にはやりません。
若い頃から徹底しているのは極力顔に触らないようにしていること。汗を拭く時もタオルでポンポンと触り、とにかく刺激しないようにしています。
あまり魅力的なキャッチフレーズに惑わされず、やりすぎ、足しすぎにご注意を。顔は体とちょっと違って繊細です。丁寧に観察し少しずつ微調整して、食べ物にも気をつけて時に厳しく優しく扱ってあげて欲しいと思います。
美容ナントカを一切せずとも、顔には生き方が出る。
よい生き方をしていればよい笑顔が多くなり、そういう人生がシミやシワなんかものともせずにいくつになってもキレイな顔を作り出してくれるのです。