陰陽五行の世界感
東洋医学の中に『陰陽五行』というものがあります。私が専門学校で東洋医学の理論に辟易としてしまい、自分には到底無理だ…と思った中で、唯一陰陽五行だけは楽しみながら今でも現場で生かせる学問です。
陰陽五行は思想として誰でも根底に置いておくと良いと思います。この、陰陽太極図は有名ですが、これに陰陽五行の思想が詰まっているのです。
太極図は黒色と白色が交互にせめぎ合っているように見えます。
これは『陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる』という意味が込められています。ちょうどお日様が昇れば月と夜は引っ込むし、夜になって月が出る時にはお日様と青空は引っ込む、それと一緒です。そういうふうに『物事は常に流動的に動いているんだよ』と言っているのです。夜が悪いわけでもなく、昼が良いわけでもない。そういうふうに動いている中でバランスをとりながら生きていくものである、と教えてくれているのです。
黒の中の白丸、白の中の黒丸。これは『陰中の陽、陽中の陰』といい、お昼は太陽によって影ができたり、夜は暗いけど月と星が明るい、など明るい中にも暗いものがあり、暗い中にも明るいものがあるという事。都市伝説ではこの太極図を山手線に見立てて、白色の中の黒丸は新宿、黒色の中の白丸は皇居に相当し、山手線で結界を張っている云々…といわれています。信じるか信じないかはあなた次第ですが言い得て妙。さらに、性別では陽は男性で陰は女性。女性は妊娠した場合、赤ちゃんというものは性別に関わらず陽なので、陰中の陽ということになります。
物事全てがこのように陰陽に分かれて、その中も果てしなく陰陽に分かれているといわれています。頭が爆発しそうになりますね。
陰陽太極図はこうして流動的である事を承知しておけよ、いつも物事は一通りではないんだぞ、という事を教えてくれているのです。人生も、幸せと不幸はこんな感じでやってきて最終的にみんな五分五分となる、といいます。これを聞いてメンタルが不安定になる方もいるとは思いますが抗えない事です。あきらめてベストを尽くしましょう。
陰陽五行の陰陽は太極図で説明できました。
次の『五行』ですが、これはもう決まっているのでこうして一覧表があります。人間の体は肝・心・脾・肺・腎という順で五臓(五臓六腑に染み渡る、の語源)となっており、五味は酸・苦・甘・辛・鹹(塩辛い)、五臓と五味をこの順番で当てはめることができます。脾と甘は同じところにありますね。これは簡単に言うと『甘い物を摂りすぎる人は胃を壊す』という意味で、甘い物を控えよ!と教えてくれているのです。しかも本当です。
感情は五志で表され、怒・喜・思・憂・恐の順番。憂というのは悲しみの意味で五臓では肺にあたります。今年は新型コロナウイルスの出現で、ターゲットは肺。有名人の急死などで悲しい出来事が多い年です。田舎では感染した人が労りどころか村八分を喰らったり、看護士さん、介護士さんなどが危険人物扱いされたり、人間の醜い部分が露呈しました。そういう悲しみの感情は肺を痛めます。免疫力が下がった時にウイルス感染しやすくなるのは、こうやって心労が重なったり、疲弊した時です。先人の知恵が教えてくれているように、悲しみに溺れず心穏やかに過ごせるよう努めたいものです。
陰と陽、そして五行。自分の心、体、人生を当てはめるととても面白いことがわかります。時代の流れでいうと、去年の今頃はオリンピック関連のインバウンドによる好景気が期待されていました。あれは陽が極まっていたのでしょうね。そしていきなりの陰です。良いか悪いかはわかりません。陰になったことで海や空気が綺麗になりました。そして、新型コロナウイルスは自然や子供達には優しい気がします。
今年もあと2か月となりました。日々の小さな幸せに感謝しつつ、無事に一年過ごせますように🤲祈るばかりです。
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